• 2023.12.08
  • ロンドンのゲーミングは最高!
ロンドンではビデオゲームが大人気です。ビデオゲームは一つの文化として市の経済でも重要な役割を担っており、毎年、ロンドン市主催で数多くの大会や展示会、関連イベントが開催されています。
テクノロジーの発展やデジタル化に深く関わりのある街ですから、ビデオゲームが価値あるものとして扱われていることも自ずと理解できると思います。
つまり、ロンドンそして英国は、ビデオゲーム好きの人にとっても、ゲーミングに仕事として携わる人、単なる娯楽として楽しむ人にとっても、申し分のない場所なのです。
安価なゲームを探している人から、コレクターや限定版マニアといったゲームに夢中の人まで、誰もが満足できるはず。
この街でのビデオゲームの人気をよく表しているのが、毎年恒例の「ロンドン・ゲーム・フェスティバル」(London Games Festival)です。数百種にのぼるゲームが市内の複数の会場で提供され、どんなタイプのゲーマーでも楽しめるイベントです。
さて、ゲーマーにとって一番大切なのは、何と言ってもゲームの購入です。
フォービドゥン・プラネット(Forbidden Planet)は、ロンドンでビデオゲームやコミック、映画やTVドラマシリーズが好きな人たちに最も人気のあるショップです。私もよく訪れますが、先日は少し歩いて頭をスッキリさせたかったので、仕事終わりにしばし散策することにしました。
ちょっと気晴らしに、ちょっと退屈しのぎに、普段より足を伸ばして歩くうち少し道に迷ってしまいました(ロンドンで「迷子」は楽しいですよ、不思議の国のアリスの気分です!)
大通りに戻ろうと思い、一本横に平行して伸びる細い通りに入りました。
辺りを見回しながら歩いていると、眩しく光る電飾の矢印を付けた見慣れぬ看板に、目が吸い寄せられました。
ブルームズベリーの小路に立つ看板のすぐ後ろに、唯一現存するチューダー様式の建築があり、レトロな外観の店が見えました。この建物は17世紀に建てられた居酒屋であるとされていて、シェークスピアも一杯飲んだことがあるかもしれません。
私は興味をそそられ、中に入ってどんな店か確かめることにしました。
店の名は「ノベルティ・オートメーション」(Novelty Automation)。噂には聞いていましたが、シュールでとても面白いゲームセンターで、英国らしいユーモアにあふれたゲーム機ばかり並んでいます。機械仕掛けのものもコンピューターを使ったものも、すべて英国の漫画家でありエンジニアでもあるティム・ハンキン氏が制作しました。テクノロジーの進歩や家庭用ビデオゲームの普及で隅に追いやられた、昔のゲームセンターを復権させようというのが狙いです。
英国の海辺のリゾート地には欠かせない、いわゆるゲームセンターと呼ばれるアミューズメント施設が、ここではブラックユーモアあふれるテーマでユニークな仕掛けを駆使して再現されています。
一部ご紹介すると、背景に「ハリウッド」(Hollywood)と書かれたゲーム機では、パパラッチのような特殊な任務のためにドローンを飛ばして有名人を密かに監視し、ホテルの扉や窓の向こうで何が起きているのか調べることができます。
「マネー・ローンダリング」(Money Laundering)では、ロンドンのバンカーや金融コンサルタントたちの目の前で、磁気クレーンを使って本物のお金を持ち上げて運び出すプレイが楽しめます。
また、ビンテージ物の肘掛椅子に座って、ビンテージのゲーム機で仮想の休日も味わえます。
ティムは1980年代からさまざまな工業製品などを改造して、奇抜な作品を作り始めました。
最新のゲーム機はテクノロジーを利用しコンピューターで制御されていますが、ゲーム機は新旧を問わずすべて手作りで、それが魅力になっています。
他のゲームセンターと同じく、プレイは有料ですが、他の人と一緒にプレイできるゲーム機もあります。
店内にあるゲーム機をすべて網羅するには1時間はかかると言われています。
トークンは1~2ポンドで、ゲームルームはプライベートなパーティなどに貸し切りもできるようです。
ロンドンで最も変わった、最も魅力的な名所の一つであることは確かです。
もしロンドンに来ることがあれは、ふらりと迷い込んでみてはいかがでしょう。


一風変わった、楽しいゲームセンター「ノベルティ・オートメーション」

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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