「ロンドンに住んでいるなんていいなぁ!」
「ロンドンがとても恋しい、早く帰りたいよ!」
「ロンドンって一番美しい街だよね」
直接でもメールなどでも、挙げだすとキリがありません。
今回は、そんなロンドンのリアルな暮らしをご紹介したいと思います。
ロンドンの一風景
ロンドン暮らしとは、何事にも無数の選択肢があることを意味します。
ロンドン人であるとは、翌日の天気予報を確認しても当てにならないから無駄だと気づき、この街特有の変わりやすい天気に備えて重ね着をするしかないと諦めることを指します。
そして何かやりたいことがあれば、とにかくやってみること。良かれ悪しかれ、必ず実現できるのがこの街なのです。
通りで困っている人がいれば、誰もが喜んで手を差し伸べてくれるのも街の特色です。
一方、地下鉄では人と視線を合わせないのがマナーとされています。
もし偶然にでも誰かと目があってしまったら? あなたが明らかにロンドン人ではないということです!
また、ロンドンで暮らしていると、ふと出会った友人どうしが気軽にコーヒーを一杯、なんてまずあり得ません。友だちとのつきあいは常に数週間前から計画し準備しておく必要があるのです。
まず、友人がいつ空いているかを確認します。次に、住んでいる場所です。友人がイースト・ロンドンで自分はウェスト・ロンドンなんてよくある話で、どちらかの家に向かうとなると約1時間かかってしまいます。
複数の友人とディナーを計画するとなるとさらに大変で、全員が都合のいい日程を探すのにひと苦労します。
このほか、ロンドン人なら、毎週、地元エリアの大型スーパーで買い物をするのが一般的ですが、帰宅後は料理する気力も時間もないので、仕事終わりに近所の店に駆け込み電子レンジで温めるだけの食品を買って帰るのが実情です。
同じバラ(特別区)で友人ができるケースはありますが、ロンドンはバラが32もありますから友人が近所に住んでいる可能性はそれほど多くないでしょう。
さらに、この街に住むと歩くのがすごく速くなります。
ロンドン市内の公園
また、ロンドン人は、観光地には極力行かないようにしています。
観光客が休暇で訪れるような物や場所をわざわざ見に行ったりはしません。
毎日その前を通り過ぎている人もいるかも知れませんが、気にも留めません。
とても残念ですがこれがロンドン人の現実です。
ロンドン人の場合、ロンドンから離れたくないタイプと、田舎への移住を夢見るタイプの2種類に分かれます。
ロンドンに住んでいると、休日にやりたいことを楽しむには、週末まで待つか、仕事を数日休むかしなければなりません。
かといって、夜に巷で噂のおしゃれなスポットに行くのも余り気が進みません。疲れているとか、人混みはイヤだとか、さまざまな理由で行きたいと思わないのです。
また、仕事ではさまざまな国出身の人々と職場を共にする可能性があります。
オフィスでポットラック・パーティー(訳註:有り合わせの料理や持ち寄りの料理で開く気軽なパーティー)が開かれ、めいめいが出身国の代表的な料理を持ち寄ったりして、さまざまな文化を知る良い機会にもなります。
実際、ロンドンで暮らしていると、さまざまな文化や人々と出会い、世界中のあらゆる料理が楽しめ、心も寛容になっていきます。そのおかげでどこへ行ってもスムーズに旅を楽しむことができ、考え方もグローバルになり個人として成長できます。
さて、ロンドン人なら外出には傘はご無用、雨が降っても気にしません。
パジャマのまま食料品店に出かけるのもよくあること。何を着ていようと誰も気にしませんからね。
ロンドンの原っぱ
つまり、ロンドンにいれば、自分さえ望めば日々新しい自分を創造できる環境があります。
新しい仕事やキャリアを始めるのに年齢制限はありません。
仕事ができることを示せば、誰も止める人はいません。
ただし、ロンドンは競争も熾烈ですから、希望の仕事に就くためには1500回ほども面接を受けなくてはならないのも現実です。
全体として言うなら……ロンドン暮らしは最高です!