街ではさまざまなテーマに特化したツアーも実に数多く、中にはとても変わった、ユニークなものもあります。というわけで、街で超変わり種のツアーを集めてみました。
その一つが公衆トイレツアーです。
文字通り公衆トイレを巡るツアーで、地下鉄のウォータールー駅からウェストエンド駅までが定番コースです。興味をそそる話から実用的なアドバイスまで聞けるので、あっと思った時に間に合わないなんてことが二度とないよう、未来への投資にもなります。特に市民には役立つツアーです。
このガイドツアーでは、英国ならではのユーモアたっぷりに、歴史や哲学、政治に関する考え方など、あまり知られていないロンドンの一面を、お役立ち情報を交えて楽しく紹介しています。ほとんどのコースは2時間足らずで、終了後はガイドスタッフとドリンクを飲みながら会話を引き続き楽しんだりもできます。
また、比較的新しいものでは、カヤックツアーがあります。
ロンドン全景が楽しめる、よそでは体験できないツアーで、主だった名所をすべて巡ります。カナリーワーフ、タワーブリッジ、ロンドン塔、グローブ座のほか、セントポール大聖堂やサウスバンク、ロンドン・アイ、議事堂などなど、カヤックから眺めを楽しめます。
3時間たっぷりかかりますが、流れに乗って漕ぐだけなので、初心者をはじめ、あらゆるレベルの人におすすめの企画です。安定性の高い二人乗りカヤックで舵が付いており、最高級の装置を備えていますので、漕いでいる間も暖かく快適に過ごせます。必要な装備はすべて提供されますし、プロのガイド付きです。ナイトツアーもあります。
自分のペースで進みながら川面から街を眺められるなんて、一味違う体験ですね。
このほか、変わったツアーと言えば、ペストのツアーもあります。
ロンドン屈指の名所を巡りながら、ペストをはじめとする病気にまつわる恐ろしい物語を聞くことができます。1348年頃ペストが大流行した時には、ロンドンの人口の半分が命を失ったと言われています。その後、1665年の「ロンドンの大疫病」(the Great Plague of London)では、ペストでおよそ10万人もの人々の命が奪われました。第二次世界大戦を除いて、ロンドン2000年の歴史の中でこれほどまでに壊滅的な影響を与えた出来事はありません。
ロンドンではペストはまず中世に流行して社会に大混乱をもたらし、政府もほぼ機能不全の状態に陥りました。感染経路や治療方法を知る者はなく、性別や年齢、貧富を問わず、次は誰がペストにかかるのか、誰にも見当がつきませんでした。ただ一つわかっていたのは、リンパ節腫脹と呼ばれる症状が現れると、ほぼ確実に3日以内に死に至るということでした。
当時「黒死病」と呼ばれ、猛威を振るったペスト。1348年の大流行以降、数十年ごとに感染者増加を繰り返し、300年後の「大疫病」で爆発的に広がり街が壊滅状態に陥りました。そして、これを最後に、ロンドンでは二度と流行することはありませんでした。
ところで、皆さんはこれまでに鐘楼の鐘を鳴らしたことがありますか? 英国の鐘を鳴らす愛好家の輪に入りませんか。ロンドンのキャンバーウェルにあるセント ジャイルズ教会では、月に1度集まり鐘楼で鐘を鳴らす練習をしています。
彼らと一緒に塔を上り、鐘を鳴らす技に関する哲学や思想について学び、この鐘の音が特別である理由や、鐘を鳴らし始めた起源、現在鐘を鳴らしている人々の話などを聞くことができます。
集合時間までは敷地内を案内してもらって、由緒ある、芸術的な遺産である建造物の中を歩いてみては。かつてここで暮らしていた有名なロンドン市民の逸話を新たに知ることができます。
特に、ロンドンの住宅街のキャンバーウェル・グローブは、ロンドンで最も保存状態の良いジョージアン様式の街並みの一画で、ビクトリア朝時代にここに暮らしていた商人や銀行家、詩人たちの様子を今に伝えています。
とどのつまり、ロンドンでは退屈する暇などないってことです!
鐘の鳴らし方、あなたも習ってみては?