- 2015.09.11
- 野外の文化イベント
絵画のような風景と年間を通して温暖な気候に恵まれたリグーリア州の街は演劇、オペラ、コンサート、映画など、野外の文化イベントには最適な環境です。
毎年8月になると、リグーリア州で中世の街並が残るアプリカーレではイタリア各地から有名な劇団を招き、街を挙げて演劇が上演されますが、その舞台には古い村の石畳の小道が使われます。観客を取り込む舞台設定にすることで、観客は積極的に演劇に参加し、楽しみながら感性を磨くことができます。演劇は移動しながら行われるため、観客も俳優たちとともに街を歩き回ります。そして、特定の場所に来ると観客が劇に参加して、俳優が演じる劇中の人物との対話を楽しみます。
このようなライブシアターが新しいタイプのアートとして注目される一方で、17世紀にイタリアで誕生したオペラは現在でもイタリアのカルチャーシーンで大きな影響力を持つものの、多くのイタリア人は古臭く退屈な上に高くて手が出ないと目もくれません。地元の劇場で上演される室内オペラの多くは実際に高価ですが、野外オペラは文化遺産振興のために自治体が主催することが多く、あらゆる世代や生活背景の人に見てもらうことが目的なのでいつも安価です。野外オペラはローマの劇場や古い要塞など、美しい史跡で上演されるので、イタリアで野外オペラを鑑賞することは特別な体験になるでしょう。
16世紀、リグーリア州の都市は地中海を支配するために戦う海運共和国で、当時、侵入者と海賊の襲撃から守るため、多くの都市に要塞が建てられました。こうした古い要塞や砦は今では公共の博物館になり、オペラのステージや野外映画館としてもよく利用されています。文化イベントはたいてい、海岸の絶景が見渡せるように要塞の上で行われますが、怪しげな雰囲気を作り出すために地下牢が会場になることもあります。
また、リグーリア地方は18世紀に経済の隆盛を誇っていましたが、その時代の大邸宅の多くがいまだに残っています。現在、これらの壮大な大邸宅の一部は政府が所有し、見学者に開放されていますが、当時の支配者層の後継者が所有している邸宅は、クラシックの演奏会やジャズコンサートなどの特別なイベントのときだけ開放されます。寒い時期のイベントは大邸宅のホールで開催されますが、天候がよければ敷地の庭や屋外で行われます。
美しい史跡を優れたアートの舞台にすれば、2つの芸術性が完全に融合した魅力的なイベントになり、この地の豊かな文化遺産を多くの人に伝えることができます。