年末年始営業のご案内
12月31日(火):18:00終了
2025年1月1日(水):全館休業
※各店舗の年末年始の営業についてはフロアガイドよりご覧下さい。

  • 2017.04.03
  • 過去へのタイムトラベル
女の子ならきっと誰もが一度はお姫様になることを夢見、男の子であれば誰もが一度は時空間の旅をしてみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。そんな夢をかなえられるのが、ここサヴォワ家の豪邸で年に1度以上開催される盛大な18世紀のコスチューム・パーティーです。一般参加も可能です。何百人という人々が高級ジャケットやドレス、スカートを身にまとい、高級娼婦やマスケット銃士、侯爵夫人、王女様に扮してこのイベントに参加し、宮殿の庭園を散歩したり、中庭でダンスを踊ったりします。それは過去へのタイムトラベルであり、この地域で最も美しいサヴォワ家邸を舞台にした一大イベントのパーティーなのです。

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仮装舞踏会場に到着したパーティー参加者たち

この盛大な仮装舞踏会はドレスコードが厳しく、2013年に導入した当初から名案とされました。壮観な舞台や選曲、参加者の熱狂、ディテールへのこだわりが、華麗なる18世紀の世界を蘇らせ、夜会を成功へと導きます。
その独創性としては、ベネツィアのカーニバルで使われる18世紀の仮面と衣装を着用し、またプロのダンサーには本物の19世紀の衣装を一式着用してもらい、18、19世紀の踊りを披露してもらうというところにあります。トスカーナ州やラツィオ州、マルケ州、ピエモンテ州など他の地域から来たダンサーたちはここに集結し、17世紀のメヌエットや、よりポピュラーなワルツなどを踊ります。宮殿のメインホールには、花やクリスタルガラスのシャンデリアが飾られています。


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見どころの多いメインホール

夜会では、地元の病院への寄付金を集めるため、アンティーク品の競売が行われます。
ディナー前やアペリティフの時間、そして夜会の終盤にはバロック風の合奏曲が流れ、招待客全員をメヌエットやカドリールの踊りへといざないます。行った時に困らないよう、18世紀の舞踏の無料レッスンに申し込むこともできます。このレッスンはイベント前の土曜日の午後に宮殿で開催され、貴族の伝統を守り続けているサヴォワ・ノビィティ協会の協力のもと企画されています。
ディナー中には、オペラ歌手が歌を披露し、参加者を楽しませてくれます。アクティビティーでは、伝統的なヘアスタイルやメイクアップのコーナーや昔風の演出といった18世紀に関するワークショップなども企画されています。


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18世紀のメロディーを奏でるミュージシャンたち

この夜会は、カーニバルというよりはむしろ歴史と優美、そして娯楽を楽しむ祝典といえますが、宮廷の衣装を身にまとって、素晴らしい舞踏会を追体験し、また思い起こすための一夜なのです。ミュージシャンは、バグパイプやバイオリン、クラリネット、パーカッション、アコーディオンなどを弾き、愛とユーモアを込めて伝統的なメロディーを夜になる前に奏でます。というのは、深夜になるとこのホールは、より現代的な音楽を演奏するDJ率いるダンス・クラブに一変するからです。
こういった種類のイベントに合う衣装を見つけるのは大変そうに思えますが、主催者は地域の演劇服の仕立て屋や衣装店と提携して服をレンタルし、参加者のニーズに応えてくれます。また、こういった店のほとんどでは、かつらや帽子、扇子、マントといった、テーマに合う小物もレンタルしてくれます。
パーティーの参加者は、舞踏会で供されるビュッフェで夕食をとるか、宮殿の個室にエスコートしてもらい、そこで豪華なディナーを食べるかのどちらかを選択できます。歴史的な演出や歴史的テーマを持ったディナーはイタリアのあちこちで企画されていますが、中でもこのイベントは独特なので、それゆえ毎年多くの参加者を魅了しているのでしょう。
私も参加しましたが、老若男女が(子供は参加できませんが)みなこの夜会に溶け込み、楽しんでいるのが見受けられました。


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イベントではメヌエットやワルツのレッスンも開催

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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