年末年始営業のご案内
12月31日(火):18:00終了
2025年1月1日(水):全館休業
※各店舗の年末年始の営業についてはフロアガイドよりご覧下さい。

  • 2017.05.08
  • イタリアの風習と社交術
ファッションと流行について
第一印象の良さをとても重視するイタリア社会では、何はさておき、身だしなみや洋服、立ち居振る舞いなどの見た目によって判断されると思ったほうがいいでしょう。
他人のことをじろじろ見たり、その外見について思ったことをそばにいる誰かと話したりする人は、イタリアでは珍しくありません。イタリアの都市部のどこかで土曜日を過ごしてみれば、ウォッチングする人とされる人が入り混じりながらメインストリートをそぞろ歩いている光景が見られるでしょう。オープンエアのカフェだって、そんな「マン・ウォッチング」目的のお客さんのために、多くの席を通り側に向けているほどです。

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イタリア人はシーンを問わずドレスアップするのが好き

大多数のイタリア人は、スポーツジム以外の場所でスウェットパンツや野球帽、サンダルのようなスポーツウェアを身に着けたがらず、できるだけブランド物の服を着ようとします。それが世界に名だたるイタリアのファッションに対するイタリア人のプライドというわけです。
茶色に黒、あるいはブルーにグリーンのアイテムは決して合わせないなど、配色についても何項目かの「ルール」が存在します。イタリア人女性がよく実践するのは、靴とバッグの色を合わせること。ミラノのファッション・ウィークのランウェイに登場したスタイルをそのまま取り入れたりして、流行に敏感であろうとするのは、男女共通の傾向です。
イタリア人の多くは、自分のオリジナリティを打ち出すとか、トレンドの最先端を走るよりも、他の皆と同じような恰好(特にジャケットと靴、バッグ)をするのを好みます。

ローマには住民10人に対して1つの教会があると言い伝えられるほど、教会や礼拝堂が多い国イタリアでは、それらの場所を訪れる際はしかるべき服装を心がけるようにして下さい。この頃は昔ほど厳しい規則もなくなったとは言え、女性のショートパンツや膝上丈のスカート、ノースリーブのシャツ、胸元が大きく開いたブラウスのような服装での訪問は慎むべきであることは、今も変わっていません。

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教会を訪問するなら、それにふさわしい服装で

社交とそのルールについて
イタリア人と会った時や別れる時は(相手が友人か知らない人かに関わらず)、時間帯に応じて「良い一日を」を意味する「Buona giornata(ブオナ・ジョルナータ)」か「良い夜を」を意味する「Buona serata(ブオナ・セラータ)」という挨拶を交わし合います。
相手と何らかの関わりがあり、すでに知り合いの間柄なら(たとえ1回会っただけの相手でも)、お互いの両頬(左の頬が先だと決まっているのに、私はいつも間違えてしまいます!)にキスをするのがイタリア式の挨拶ですが、すぐに親しくなりたいと思えば、初対面でこのキスをすることもよくあります。また、イタリア人は抱擁もよくするので、好意を表すために人前で誰かをハグすることも珍しくありません。
ビジネスの場面では、人と会った時にはしっかり握手を交わします。最近では「あなた」を意味する単語も、尊敬のニュアンスを持った正式な二人称「Lei(レイ)」ではなく「tu(トゥ)」が好んで使われるなど、会話の口調もすっかり形式張らないものになってきています。

イタリアの騎士道精神なるものは影が薄くなりつつありますが、それでも男性が女性のためにドアを開けてあげる、カフェやレストランの支払いを持つといった親切さは、とりわけそれがデート中であれば、未だに健在だと言えます。今どきのイタリア人は、決められた時間より遅れて行くのが普通です。ある時間に約束しても、その時刻にあなた以外の人が現れるなんて期待できないし、実際に定刻ぴったりに到着したところで、あなたが待たされることになります。ほとんどの人がそういう調子なので、遅刻しても失礼だとは見なされません。誰かを自宅での夕食に招待した場合、ゲストは約束した時間より30分ほど遅れて到着するのが普通ですが、これは、ホストが準備する時間を持てるように配慮したうえの行動であるとされています。

食べること、飲むこと
外食はイタリアの文化において重要なパートです。
レストランでは必ずホール係がテーブルに案内してくれるまで待たなければなりませんが、カフェでは自分で好きな席につくことができます。カフェを利用する際に面白いと思うのは、カウンター席で飲食するかテーブル席かによって提供されるサービスが異なるため、それぞれ料金も変ってくることです。

イタリアでは、ウェイターにチップを渡す習慣は実は一般的ではないものの、チップが侮辱と取られることはなく、渡せば非常に喜ばれます。レストランのサービス料は、一般的には勘定書きに加算されるもので、通称coperto(コぺルト)と言います。コペルトにはサービス料と、イタリア料理には必ず添えられるパンの料金が含まれます。
料理をいかに見せるかというのはイタリアではとても重要な問題で、イタリア人によるレストラン評を読んでみると、店のサービスに関する言及はほとんどなく、材料の新鮮さと料理の見ばえを重視しているのが分かります。

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料理の見せ方はきわめて重要なポイント

アルコールの入った飲み物を楽しむときは、乾杯をするのがお約束です。グラスを持ち上げて「Salute(サルーテ!)」と言いながら、アイコンタクトは災いを遠ざけるという迷信に従って互いに目を見合わせるのが、イタリア式の乾杯のやり方です。


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災いを遠ざけるとされるアイコンタクトは乾杯の儀式に欠かせない

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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