年末年始営業のご案内
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2025年1月1日(水):全館休業
※各店舗の年末年始の営業についてはフロアガイドよりご覧下さい。

  • 2017.06.20
  • アーティストと詩人の地
レヴァンテのリグーリアン・リヴィエラ(東海岸)の一角にあり、トスカーナとの州境にも近いラ・スペツィア湾は、「詩人の入江」という愛称で呼ばれています。19世紀初頭に自由と反抗の精神溢れる作品を世に送り出し、波乱の生涯を生きながら新世代の詩人として名を馳せたバイロン卿を始め、この土地の抗いがたい魅力の虜になった人々の中には、芸術家や作家たちも多かったのです。

既に19世紀の時点で、この一帯は、イギリス人を主とする外国人たちから魅力的な場所として愛されていました。今でも多くの観光客が訪れていますが、その大半を占めるのは、ドイツ人と米国人、ロシア人になっています。
ポルトヴェーネレはバイロン卿が愛した場所と言われており、彼に創作上のインスピレーションを与えたという岩礁は「バイロンの洞窟」と呼ばれています。
当地にはバイロンを偲ぶ墓碑もあるのですが、実はこれ、本物ではありません。本当のことを言えば、バイロンはポルトヴェーネレを訪れていないのです。彼が滞在したのは、50年以上にわたって水泳の世界大会が開催され、毎年8月末には世界中からプロアマを問わず選手が集う、レーリチという町でした。この美しい港町で、バイロンは息を呑むほどに青い海を眺め、過ぎ去りし日々に思いを馳せたのでしょう。

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レーリチ

ポルトヴェーネレの沖合に浮かぶ、パルマリア島やティーノ島、ティネット島といった小島では、船上ツアーやシュノーケリング、ダイビングなど、様々な夏のアクティビティが楽しめます。内陸部に広がる緑豊かなポルトヴェーネレ国立公園は、素晴らしい海岸線を眼下に眺めながらハイキングをするのに理想的なロケーションです。
海岸沿いの美しい風景のすぐ下にも一見の価値のある宝が眠っていて、こちらはスキューバダイビングで見ることができます。この海に沈む「海底のキリスト像」の姿を見たいなら、ダイバーとして会いに行く以外の手段はありません。

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ポルトヴェーネレ

海岸線に沿って細長く広がるレーリチの優美で穏やかな景色は、「詩人の入江」でも屈指の人気観光スポットです。急な斜面を少し登れば、入り江を一望できる絶景に心洗われる観光ルートへもすぐです。湾岸の南端、岩で出来た岬の頂上から一帯を見守るお城は、この町のシンボル的存在です。レーリチにある三つのビーチの中でいちばん大きな砂浜に行けば、丘と海があまりにも近いため、天国と地上の間にいるような錯覚に陥るかもしれません。
近年、マウンテンバイク用トレイルの存在でも知られるようになったレーリチは、イタリアはもちろんヨーロッパ全土のバイカーたちの熱い視線を集めています。
過去数十年間に多くの詩人やアーティストが移り住んだこのエリアには、ヴァージニア・ウルフもしばらく滞在したほどです。景観の美しさだけでなく、郷土料理の香りや風味、漁師が収穫したばかりの新鮮な魚もまた、著名な芸術家たちを大いに魅了したのでした。
当地の地方議会は、1980年代から国有地だったブッサナ・ヴェッキア村を併合する意向を数か月前から表明していました。
当地に居住する住民の立ち退き発令がほぼ決定したことをうけ、この表明が出されました。

この決定は、ユニークで魅力的な歴史を持つこの村落の社会的・文化的重要性を、地域の行政側が公式に認めたことを示しています。
リグーリア州の内陸部を襲った1887年の大地震により、中世の名残を色濃く残したブッサナ・ヴェッキアの村落は途方もないダメージを負いました。3キロばかりの範囲で河口付近の修復が行なわれましたが、その後は長らく放置されていたのです。
1960年代前半、ひとりの画家がこの地で「International Community of Artists(現International Artists Village=国際芸術家村)」を立ち上げるまで、被災した家々は廃墟と化したままでした。もとより、これらの建築物の大部分の保護を手掛けることのできるアーティストやクリエーターたちが、「違法な」移住からのスタートではありましたが、ヨーロッパ各地からこの場所に引き寄せられて行きました。
村の住民と当の団体との関係には、常に緊張と摩擦が絶えませんでしたが、今回の決定はひとつの福音となりました。アーティストと行政が、ようやく一丸となって、この素晴らしい場所を保管するためのスタートを共に切れるようになったわけですから。

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ブッサナ・ヴェッキア

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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