• 2018.08.07
  • ベルジェッジ島とその周辺のお話
青い海、秘密のビーチ、汚染知らずの海底、多くの海洋動物…これこそまさにリグーリア海岸と言えるでしょう。

どこを切り取っても絵のように美しいのですが、周辺エリアにはとっておきのスポットがいくつかあります。サボナ地域スポトルノ市からすぐのベルジェッジ村に近い海もその一つ。都心の生活を抜け出して旅の人となり、目的地に着いて道路を2、3回曲がっただけで、ターコイズブルーの海と白い断崖、ベルジェッジ島の眺めが眼前に現れるこの村は、旅の達人でも新鮮な驚きを感じるほどの魅力を持っています。


リグーリア地方のこの地域にどのような秘密があるかは別にして、海水は錬金術のように陽光を透かして明るい青緑色をたたえ、その海底では、熱帯の海でもなかなか見られないという色とりどりの色彩ショーが展開されています。

ダイバーにはもちろん、旅先でシュノーケリングやダイビングを楽しんでみようと思い付いた観光客にとっても、ここはパラダイスそのものなのです。


スイミングとダイビングの楽園、ベルジェッジ島

個人の私有地であるベルジェッジ島に立ち入るには、特別許可証を持っているか、所有者から招待されているかのいずれかの条件を満たしている必要がありますが、島周辺の海をボートで遊覧し、その眺めを楽しむことは誰でも可能です。
ベルジェッジの町では毎年夏になると、7番目の芸術(=映画)の祭典「シネマーレ」の特設ステージがビーチに誕生し、映画と海を愛する人たちのための一大イベントが開催されます。シネマーレでは7~8月の毎週火曜日にベルジェッジの公営ビーチで無料上映を行っていて、今はその7作品目が上映されています。フェスティバルの運営は、ベルジェッジの自治体と環境省、ベルジェッジ海洋保護区が共同で行っています。この地域に住み、海に関わる研究や仕事に携わっている多くの人々の協力のもと、上映作品のラインナップも、映画からアニメ、ドキュメンタリーまで幅広く揃っています。


夏の間は野外シアターとなるベルジェッジのビーチ

ベルジェッジで見るべきものは、映画だけではありません。自然環境に恵まれたこの地ならではの、夢のようなバカンスが体験できます。行動あるのみのアクティブ派から魅力的な行先を探し求めている旅人まで、どんなタイプの人でも退屈させないところが、ベルジェッジの懐の深さなんです。

まずはビーチから攻略しましょうか。たとえばベルジェッジ島の真向かいにあるリド・デル・シレーヌ・ビーチは、まさにこの世の楽園。長く伸びた美しい砂浜から、180段余りの階段を下りてみてください。小石が多いビーチはなかなか歩きづらいかもしれませんが、黒っぽい石が続く海岸は美しく、この透き通った海で泳ぐ気持ちよさは格別です。この湾岸の一部を占めるリド・デル・シレーヌ・リゾートは古い歴史を持ち、バーやシャワーなどのサービスも充実。その先にある素敵な岬は、地中海性植物の宝庫とも言うべき「秘密の」プンタ・プロダーニ。海から、あるいは階段を通じてアクセスできます。


魅惑のビーチ、リド・デル・シレーヌ

ベルジェッジを中心とする数平方キロの範囲には、本物のオープンエアのスポーツジムがあります。カヌー、ビーチバレー、ウィンドサーフィン、シュノーケリング、ダイビングなどなど、水陸両方のスポーツを幅広く楽しめるだけでなく、トレインギャラリーの洞窟や洞穴の探検ツアー、300m以上の深さを誇るカルスト窩洞へのガイド同行ツアーなどに参加することも可能です。見事な円錐形をした石灰岩からなるベルジェッジ島では、浅瀬でさえも海洋性の動植物に富んでおり、ベテランから初心者まで、ダイバーにとっては夢のような環境です。腕に覚えのあるダイバーの皆さんは、海中の鍾乳石や石筍がある深さまで潜ってみてください。それはもう息を飲むほどの(水中だから息を止めているわけではなく!)、圧倒的な景色が見られるという話です。自然のままの姿をとどめたこの素晴らしい海岸を保護するため、数年前に海洋保護区が定められました。湾岸警備隊が昼夜を問わず周辺のパトロールを行い、商業的漁業などの非合法な行為を取り締まっています。


プンタ・プロダーニ岬

ベルジェッジ島と近くにあるスポトルノ島は、若者も家族連れもエンジョイできる場所です。ナイトライフ重視派には、歩道沿いやリゾートスポットにある、雰囲気の良いクラブやラウンジバーがおすすめです。ディナー、ハッピーアワー、ビーチでのDJナイトなど、何でもござれ。夜には浜辺でビュッフェを提供するクラブも多いので、砂の上で晩餐というのも素敵な思い出になりそうですね。


ベルジェッジの透明な海

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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