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  • 2018.10.04
  • アンダー・ザ・シー、海の中のワンダーランド
美しい砂浜で知られるリグーリア地方ですが、その海の中に潜ってみると、ビーチよりもさらに素敵な世界が待っています。
ここリグーリア地方はシュノーケリング天国で、ダイバーならば一度は行ってみたい場所。そこで今回は、インストラクターである友人に協力を願い、ダイビングをテーマにブログを書いてみたいと思います。
アルベンガの町のすぐ傍に浮かぶガッリナーラ島は、地中海最大級のカモメのコロニーがあり、海洋保護区と隣接しているため地域の保存制約の保護下にある小島です。
この島周辺のダイビングは最近まで禁止されていたのですが、その理由は環境保護ではなく、第二次世界大戦当時から不発のまま海底に沈む兵器の存在でした。島の再生のきっかけとなったのが、リグーリア州からフランスにかけての沿岸地帯を水中考古学者が調査した結果、5世紀からここに眠っていた大量の埋蔵物が発見されたこと。考古学に興味があるという方は、この時に見つかった貴重な品々が収蔵されているアルベンガ海軍博物館にぜひとも足を運んでみてください。
現在のガッリナーラ島周辺は保護水域となっており、ダイビングも可能です。ダイビングができる主な場所はプンタ・ファルコナーラと、「ウェスト・ティップ」こと島の最西端部の2か所。穏やかな入り江から海に潜れば数メートルの深さの海底にキリスト像が沈んでいるプンタ・ファルコナーラは、西リグーリアで最も魅力的なダイビングスポットの一つです。水深18メートルの救世主キリストの像がここに設置されたのは、1998年の復活祭のころでした。
両腕を広げながら海の中に立っているキリスト像はやがて、海への愛、ダイビングへの愛のシンボルになりました。このような海にただ潜るだけなら大して難しいことはなく事前の準備も不要ですが、海洋保護自然区域内でダイビングをする場合は認可を受けた同伴者の付き添いが必要になります。このあたりの海中に生息しているのは、ハタやカサゴ、タコ、ウツボなどの大型魚です。


友人のマルコが撮影した海の中のキリスト像

ガッリナーラ島の最西端部までたどり着けば、そこは外海に面したバルコニーといった風情。ガッリナーラ島から東に向かって潜っていくと、過去2回の世界大戦中に沈んだ3隻の美しい難破船の姿を目の当たりにすることができます。
このコースで最初に現れるのが第二次世界大戦で撃沈したウンベルトⅠ号。ここは深いうえに潮流がたいへん強い場所なので、場数を踏んだ上級ダイバー向けのスポットです。
それよりアクセスしやすいのが次に現れるサッサリ号で、こちらは第一次世界大戦中に撃沈されました。船としてはあまり原型をとどめていないけれど、このあたりは常に視界が良好なのでおススメとのことです。
そしてなんといっても圧巻なのは、同じく第一次世界大戦期に撃沈されたフランスの貨物船、ティフリーズ号の残骸です。完全な状態のままで海底に沈むその姿を見たダイバーたちは、現世から隔絶されたような、なんとも言えない不思議な感覚を味わうのだとか。ただし残念ながら、これも水深の深い場所にあるので、経験を積んだダイバーでなければ近付くのは難しいとのことです。
実際のダイビングでは、固定した潜降ロープを伝いながら、岩だらけの台地の合間にたくさんの魚たちが泳ぐ海底を目指して潜水します。
ガッリナーラ公園の周辺は保護地域なので、カサゴやウツボ、エビ、ウミウシ、まれにムーンフィッシュ(アジの一種)などなど多様な生き物が生息しています。
ベルジェッジ海洋保護区域(過去のブログでもお話しましたね)にあるカナローネは、ベルジェッジ島界隈ではとても有名なダイビング場です。島の北東部にある潜水スポットでは、水中にそのまま続く岩の突端ぞいに海に潜れます。
ここでの見ものは、岩の斜面を覆う大量のシャリンヒトデ。カサゴ、ウツボ、アンコウにまじって時にはペレスメジロザメの姿も観測できるなど、やはり動物相の豊かさが見てとれます。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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