この行事は、通常2月の3週末にわたって開かれます。私たちの地方では、2月は1年で一番寒いけれど、日中の時間が短い最後の月です。
この時期にはイタリア中、そして外国からも大勢の人たちがやって来て、華やかでカラフルな光の饗宴を楽しみます。
キャンドル・フェスティバルと同時に開かれるフード・フェスティバルなどの楽しいイベントもあって、地元のごちそうを味わうためにやって来る人々でいっそうの賑わいを見せます。
今年のこの一連のイベントの一番手はパランツァ・フェスティバル、リグーリア料理の代表であるリグーリア風魚の炒め揚げ専門のフェアです。
この揚げ魚の盛り合わせは、もとはといえば小さすぎるなどの理由で売れなかった残りものの魚を料理したものでした。でも、残りものと漁師たちの知恵からとびきりの料理が生まれたことを、歴史は教えてくれています。
「パランツァ」という言葉は地方語の「パロ」から来たもので、もとは網を引くために二艘一組になった舟を指していましたが、後には一艘だけの伝統的漁船も指すようになりました。
美食と伝統のコンビネーションは、フェスティバルでだけでなく、2月いっぱい地元のレストランでも楽しむことができます。
毎晩2回、45分間、町は暖かく和やかなキャンドルの灯りだけで照らされ、その間は町全体が電気を消して、店やサービス業は閉店するか、キャンドルの灯りのもとでだけ営業します。
遠くから見たキャンドルに照らされた村
この「キャンドル・アワー」の間に、明々とキャンドルが灯されたランタンが飛ばされて、村の上空を幻想的に照らし出します。今回の開催では、他のアトラクションも用意されていて、そのひとつが「クラフト・ストリート」です。そこでは職人さんと話したり、さまざまな形や大きさのキャンドルを眺めたり買ったりすることもできます。どのキャンドルも驚くほど多彩な素材(蝋、木材、石、テラコッタ、セラミック、シルバー、おまけにコルクまで)で装飾されていて、どれも手作りですぐに使うことができます(あまりにも美しくて、使って溶けてしまうのはもったいないけれど)。
町中でワークショップもいくつか開かれることになっていて、中世からの伝統を厳密に守って天然の蜜蝋を使って作られるキャンドルの製作過程を見学できます。
芸術的なキャンドルが陳列、販売されている
養蜂は、リグーリアと、ジェノヴァ周辺のもうひとつの町ヴォルトリでは古くからの伝統があり、養蜂理論の入門講座が開設されたばかりです。
その講座はNPOとジェノヴァ・ヴォルトリの地方自治体が共同で運営しているもので、蜂の飼育と繁殖に関する基礎訓練と、蜂の世界と蜂蜜、石鹸、プロポリス、そしてキャンドルなどの産物について学ぶことを目的として、今年開講されました。
今年のキャンドル・フェスティバルのもうひとつの見どころは、雪の小道です。村の中の小道で人工雪が噴射されて、誰もが柔らかな淡雪に包まれます。
町の城壁の中の小さな建物には、プロジェクションマッピングでこの伝統の歴史と養蜂の技法が映し出されます。
毎晩町を照らし出す幾千もの灯りのおかげで、町には絵画のように魅惑的な光景が出現し朗読イベントや伝統的衣装を再現したイベントも繰り広げられます。
キャンドル作りワークショップ