この9月で59回目を迎えるボートショーは、ジェノヴァの見本市の展示スペースを会場として、イタリア国内外から多くの人々の注目を集めているイベントです。
新規のブランドを積極的に受け入れるこのイベントは、国境を越えた国際的なショーとしての名声を確立しています。
利用可能なスペースに限りがあるため、運営組織はこれまでイベント参加の申し込みを大量に断らねばなりませんでした。
これを解決するため、来年は参加希望者を受け入れられるようスペースの拡張を行う予定だということです。
入場するとまず、エントランスで来場者を出迎えてくれる、1500㎡ほどもある新しいUrban Wallが目に飛び込んできます。展示されている船の中には新型カーボンファイバー製スーパーヨットなど多数の新製品があり、航海部門のイノベーションも見ることができます。
以前からリグーリア地方は船舶が得意分野で、この国際ボートショーは船好きにとっては造船生産や造船エンジニアリング、エレクトロニクスにまつわる最新情報に加え、関連事業の最もホットなトピックが集まる宝庫です。ヨットやスーパーヨット、帆船の展示希望が多数に及ぶことを見込んで、今回のイベントでは展示エリアの拡張と改装を行いました。1,000近い出展者、1,000台以上の船舶模型、25ヶ国から集まるジャーナリスト、昨年度以上に多く販売されたチケットなど、プロジェクトに参加する人や物の数量を考慮して、ボートショーのスペースは5つのエリアに区分されています。
ボートヤード
私自身、このショーには足を運んだことがありませんが、船舶関係の仕事をしている2人の友人から詳しい話を聞いています。彼らはヨット用品を扱うボートショップと、ヨットを所有する際に必要な免許を取るために通う船舶免許教習所にそれぞれ勤務しています。
彼らによると、ボートショーの開場は毎日午前10時、入場料は15ユーロ。このショーに来る客の大半は船舶関係者か、ボートの「お買い上げ」目的の富裕層なのだとか。
今年の目玉のひとつは電動ボート。自動車と同じく、環境保護の見地から、代替燃料として電気を使用することに注目が集まっています。
特注生産(イタリア製)で顧客の好みやニーズに合わせて作られる電動ボートは、ヨットではなく高級なテンダーボートという位置付けになります。高度な自動運転機能を備えているらしいこのボートは環境に配慮した設計で、モンテカルロではUIM Environmental Award(国際モーターボート協会環境賞)を受賞したこともあり、国際的な評価を得ています。
実際に、この画期的な電動ボートの組み立てのため、造船所の電気設備はこれまでの2倍の規模に増設されました。今回のジェノヴァのボートショーで報道関係者や関心を示すと思われる見学者たちに向けて披露される予定です。
59回目となるボートショー開催にあたって、ジェノヴァ市は文化イベントとボート愛好者向けの特別イベントのスケジュールもより充実したものにしました。実際には、この街で特に名所旧跡とされる場所を盛り立てるべく、今年はイベント会場をいわゆる伝統あるロケーションに絞り、「ボートの世界」の魅力がより多くの人々に伝わるような、興味深く多彩なプログラムを展開します。
サローネ・ナウティコの会場外では豊富なイベントプログラムが行われており、ジェノヴァインブルーと呼ばれています。これは、観光客やこの見本市の来訪者にジェノヴァ流の生活スタイルを伝えることでこの街の多面性を紹介する、文化と美食と社交の祭典です。
ジェノヴァで販売される世界各国の船たち
ボートショーの入場チケットを提示すると、ジェノヴァのさまざまな美術館やデュカーレ宮殿などの入館料をはじめ、興味をそそる展示会や各種ツアー、コンサートなどの割引を受けられるという特典もあります。