私が今回訪れたのは、西海岸のチェリアーレという町。
ロアノとアルベンガのほぼ中間地点にある、サヴォーナ県の集落です。
海岸にブルーフラッグ(きれいな水をもつ海水浴場に贈られる、イタリアで最も権威ある賞)がはためくチェリアーレは、ビーチと海の美しさで知られています。
不純物の少ないきれいな水の証、ブルーフラッグ
海沿いにある穏やかな集落、チェリアーレの中心部には、カルッギ(caruggi)という特徴的な細い路地が見られます。また、木製の歩道へとリニューアルされた遊歩道は、美しい松林のある西側の緑地まで続いており、うんと暑い日でも日影で過ごせる場所になっています。
360度見渡せる埠頭を歩くと、波の音をBGMにしながら、別の角度から町と海岸の全景が望めます。
しかし、チェリアーレの魅力は青い海と砂浜だけではありません。
中世時代の名残をとどめるこの町には、16世紀に海賊の襲来から村を守るために建てられた中世の塔が今も残っています。3つの身廊のある、街で中心となる教会もやはり大変古いもので、大きなドームが特徴です。
この教会は海賊に打ち壊された後、17世紀に再建されました。
再建当時を代表する素晴らしいバロック様式の作品が、今も多く残っています。
町の周りを上流に向かって走る循環道路を歩いて行けば、上から海岸全体を一望できます。戻ってくる途中、町を見下ろす中世の村や14世紀に建てられた聖ジョバンニ・バティスタ教会に寄ってみるのもいいでしょう。
ほかにも、リオ・トルセロを中心にチェリアーレの自治体圏内で発見された古代の工芸品や芸術品を多く収蔵する自然史博物館があり、国内外から集められた現代のサンゴや貝殻も一緒に展示されています。博物館の外にある小さな植物園では、古生代から現在を含む新生代までの陸生植物の進化の姿を見ることができます。
リオ・トルセロ自然保護区があるのも、この近くです。チェリアーレから1km、海抜70mの位置にあり、非常に古くて保存状態が完璧な化石堆積層が見られます。
今年はここ数十年間で特に暑い夏だったこともあり、私はリグーリア州最大の親水公園、カラヴェッレ水上公園(Le Caravelle)に出かけました。ここには大人も子どもも遊べるアトラクション、日光浴用のデッキチェアや遊泳プール、そしてジェットバスや健康増進コーナーもあります。
いくつものすべり台や波のプール、さらには真水のしぶきを浴びながら踊るアクアダンスのコーナーまでありますが、このアトラクションは残念ながら新型コロナウイルスのせいで閉鎖中でした。
ビーチバレー用コート、キッズ用のエアー遊具もあり、公園内をミニ列車も走っています。
家族みんなが楽しめるように、プールとすべり台に多くのスペースが使われているのは他の親水公園と同じですが、ここの魅力はそれだけではありません。クリストファー・コロンブスが1492年のアメリカ大陸発見の際に乗っていた、キャラベル船がテーマになっているのです。
園内にはニーニャ号、ピンタ号、サンタマリア号の3つのキャラベル船(イタリア語でCaravelle)のレプリカがあって、誰でもこれらの船に乗り、コロンブスごっこができるという寸法です。
船は実寸大ではありませんが、クリストファー・コロンブスゆかりの資料が園内いたるところにあり、物議の的にもなっているジェノヴァ生まれの探検者、コロンブスにまつわる事実を知ることができます。
このパークが作られたのは何十年も前のこと。BLM(ブラック・ライヴズ・マター)の余波でコロンブスが取り沙汰されるようになるよりもはるか昔ですから、どうか批判はお控えください!つまるところ、ここはただの親水公園なのですから。
クリストファー・コロンブスの船にちなんだ名前のキャラベル・パーク