冬季は穏やかな天候に恵まれ、高い波が常に海岸に押し寄せることも相まって、ここは年間を通してサーフィンをするのに絶好の場所なのです。
残念ながら、イタリアではカリフォルニア州や太平洋の島々の海岸で見られるような巨大な波こそないものの、リグーリア沿岸を暴風雨が容赦なく頻繁に襲うため、この地域はこのエキサイティングなスポーツが好きな人たちの理想郷とも言われています。
リグーリア州には、サーフィンを楽しめるスポットがたくさんあります。波や海底の特徴はそれぞれ異なるので、上級者でも初心者でも自分に合った場所を選ぶことができます。
サーフィン好きの友人コスタンツァいわく、レヴァント・ビーチとレッコ・ビーチ、ボリアスコ・ビーチ、ヴァラッツェ・ビーチがサーフィンに最も適しているそうです。
ジェノヴァの西側に位置するレーリチ・ビーチもサーファーでいっぱいです。ここには大きな有料駐車場があって、そこから数メートル歩けばビーチにたどり着けるので、ボードをしょって行くにもとても便利です。最強レベルの高波からビーチを守る小さな湾なので、安心して高い波を楽しめます。
レヴァントは、サーフィン界で最も重要な競技会が行われるリグーリア州の町。ここの海岸には5つのビーチがあり、ビギナーからプロのサーファーまでサーフィンを楽しむことができます。風に吹かれて起こる波の高さはこの地域全体で最も高く、時には4mにも達するのだとか。
町の正面にサーフスポットがあるレッコでは、夏にレッコ・サーフ・フェスティバルが行われます。まるでカリフォルニアのようなこのイベントには、イタリアのトップクラスのサーファーたちを見ようと世界中から見物客が訪れます。サーフィンの練習もできるビーチには、ピーク、すなわちサーフィンに適した波が崩れる(ブレイクする)ポイントが2か所あり、それぞれに異なった特徴があります。ひとつは海底に岩が多い熟練サーファー向け、もうひとつは海底に砂が多い初心者向けです。
レッコには歴史あるサーフィンスクールがあり、年間を通してこの小さなビーチに大勢の人がやって来ます。
ボリアスコは、70年代のイタリアでサーフィン・ムーブメントが誕生した場所のひとつ。このビーチは、町を守る小さな港の真正面にあります。海底は主に砂地で、経験の浅いサーファーにも理想的なスポットです。ここにも歴史あるサーフィンスクールが存在するため、年中多くの人たちで混み合っています。
サーフィンをこよなく愛する街、ヴァラッツェでは、シーズンオフにも乗れるような波を提供でき、海岸を守る人工のリーフを自治体が作ろうとしています。
ここの海岸に打ち寄せる波は技術に長けたサーファー向けで、友人によると波に乗る時には一種の序列があるのだとか。プロのサーファーが最優先で、次に地元の人、その後にその他大勢が続く、という順番だそうです。
リグーリア州は先ごろ、今年一番の激しい暴風雨に見舞われました。波は3mを優に超え、海からは強烈な風が吹き寄せました。
これを自然界の大スペクタクルと呼ぶ人もいましたが、海を見下ろすビーチリゾートやレストランにこの波が与えた被害額は、何百万ユーロにも及ぶと言われています。
リグーリアでサーフィン