• 2024.11.18
  • ブログ リグーリア‐ますます人気に!イタリアのハロウィーン
一年のうちでも特に魅惑的かつ神秘的で魔法のような季節がやってきました。それはもちろん、ハロウィーンです。
うっとりするほど美しい村や数えきれないほどのお城が北から南まで点在するイタリアには、外国からやってきたこの一大イベントを楽しめるスポットもたくさんあります。
イタリアでもハロウィーンの人気はますます高まるばかり。今回のブログでは、この国でのハロウィーンの祝い方や、この祝日の起源などを掘り下げてみましょう。

リグーリア地方では、この時期になると数多くのイベントが開催されます。
ピエロ博物館のあるヴィラ・グロック(Villa Grock)は、不気味で魅惑的な祝祭の雰囲気に満ちた遊び心溢れるスポットとなります。10月31日の特別な夜には、仮装した子どもたちがこの屋敷の部屋に招き入れられます。1900年代に活躍した道化師グロック(Grock)が手がけたこの摩訶不思議な屋敷で、子どもたちはお菓子やイタズラを探したり、怪物や魔女などのモンスターを見付けたりする不思議な体験の旅に出ます。ハロウィーンの夜をエンジョイしたい大人のためには、とっておきの夜の来館イベントも用意されています。
カラフルで絵のように美しい海辺の村、ノリ(Noli)でも愉快でおどろおどろしい一日が過ごせます。毎年自治体がハロウィーンの特別イベントを企画しており、フェイスペイントや音楽イベント、恐ろしい物語の語り聞かせなどが実施されます。
ジェノヴァのランテルナ(Lanterna)灯台では、ハロウィーンの仮面イベントが開催されます。子ども向けに企画されたイベントですが、大人でも楽しめる内容が盛りだくさん。参加者は灯台の歴史や街の重要な名所について知識を得ることができます。灯台へと続く道のりを童謡に乗せて歩きながらゲームを楽しみ、ジェノヴァのシンボルである灯台と港に関する興味深い話を聞き、その長い歴史の中で起こった主な出来事について学ぶことができるイベントです。
特にハロウィーンの季節に子どもと一緒にぜひ訪れたい、魅力溢れる歴史的スポットといえば、何と言っても「魔女の村」あるいは「ヨーロッパのセイラム」として知られるリグーリア州トリオーラ(Triora)でしょう。
この村にある城では、10月31日の夜にディナー付きの領主の邸宅ツアーを実施しています。
この「魔女たちの夜」には、子どもも大人も森やお城の周辺で、恐ろしい夜の散歩を楽しむことができます。散歩の後は、中世の酒場での美味しい晩餐が待っています。
ハロウィーンを最も楽しんでいるのは、小さな子どものいる家族や若者たちです。とはいえ、イタリア人の多くは自宅でハロウィーンをテーマにした食事を堪能したり、特に若者はバーに繰り出したりしています。また、子ども向けのお楽しみと大人向けのエンターテインメントを融合させた、面白くて愉快なアクティビティに参加する人たちもいます。
イタリアの家庭は、ハロウィーンのためにスーパーマーケットでお菓子やスナック、ペストリーなどを買います。イタリアには子どもがお菓子を求めて家々を訪ねる「トリック・オア・トリート」の習慣はありませんが、家をハロウィーン仕様に飾り付ける人もいます。
もともとハロウィーンは、異教徒であるアイルランドのケルト民族の祝祭、サウィン(Samhain)に端を発しています。この祭りは、夏の収穫が終わり暗く寒い冬が始まるケルト暦の11月1日に行われていました。古代ケルト人の暦では10月31日が大晦日にあたります。




お城で開催されるストーリーテリング。ハロウィーンを広めるとともに、異教信仰や歴史的事実を学べる場でもあります。

イタリアの文化の一部になってからまだ20年にも満たないハロウィーンですが、今では完全に定着しているように感じます。年配の人たちの中には今でも批判的な視線を向ける人もいますが、死者を悼む日の前夜祭として異なる世代の人々が集まり、(もちろん商業的な側面もありますが)一緒に楽しむ貴重な機会を提供しています。
私は、この祝祭が持つ遊び心と真面目で歴史的な側面を組み合わせたイタリア式ハロウィーンが気に入っています。ハロウィーンは今や、普段は一般公開されていない城や別荘、歴史的建物などの内部を公開する機会となっており、たとえビジネス目的であっても、美しく歴史あるこれらのロケーションを維持するための支援としても役立っているのです。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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