リグーリア地方に限らずイタリア全土において、クリスマスは年間で最も寄付が集中する期間で、多くの非営利団体は寄付の大部分をこの時期に受け取ります。
この季節には、慈善事業資金を集めるためのイベントや募金活動、チャリティセールなど、様々な活動が盛んに開催されます。
クリスマス前の数週間、誰もがいつもよりちょっぴり親切になり、懐も暖かくなるのを見込んで、多くのボランティア団体が資金集めのためにカレンダーやオリジナル商品を作成、販売します。懐が暖かくなるのは、正社員として働くサラリーマンには、tredicesima(「13」を意味するイタリア語)と呼ばれる、1か月分の給料と同額の年末ボーナスが支給されるからです。公務員はもっと恵まれており、quattordicesima(「14」の意味)と呼ばれるボーナスを手にします。つまり、彼らは12月に3か月分相当の給与を受け取れるというわけです。
そして、大部分のイタリア人はこのボーナスを、クリスマスプレゼントや好みの団体への寄付に使うと言われています。
救急医療や消防などの専門職も実に様々な方法で募金活動を開催しています。
例えば、消防士たちは、10歳未満の子どもたちが消防士になるための「訓練」を体験できるイベントを企画しています。
寄付を呼び掛ける消防士カレンダー
消防士訓練コースは、完全に安全な環境のもとで、消防士が救助活動中に遭遇する可能性のある障害物について、子どもたちに新たな視点を提供できるように設計されています。
子どもたちは、はしごの上り方、橋の渡り方、壁の壊し方などを楽しく学びながら、最終的には消火の技術も身につけることができます。
地元の消防隊が主催するこのイベントは、引退した消防士たちによって運営されています。
ジェノヴァ県の数カ所を巡回して、カレンダーやグッズの販売、「こども消防士証書」の発行を通して自己資金を調達しています。
カレンダーには、消防隊の世界をテーマに就学児たちが描いた絵も掲載されています。
子ども向けの消防士訓練
クリスマス前の週末になると、ジェノヴァ地方ではクリスマスマーケットが開催されます。会場の一角に慈善団体や募金活動専用のコーナーが設けられ、公立学校が多数出店しているのを目にします。これは、残念ながら政府から十分な助成を受けられないため、チョークやクレヨン、マーカーペン、トイレットペーパーといった必須用品の購入資金を調達する必要があるからです。学校が手掛ける店は通常、その学校に子どもたちを通わせている親たちにより運営され、中古の玩具やアクセサリー、子どもたちお手製のクリスマスオーナメントなどを販売しています。
猫や犬の保護施設といった地元の動物愛護団体が出店していることも多く、毛布や食べ物、マットなど、飼い主のいない動物の役に立つものなら大抵は何でも寄付を受け付けています。この時期には動物たちの里親探しも行われるほか、資金調達のためのカレンダーやギフトボックスも販売されます。
私の家では、この季節になるとクリスマスマーケットに行って地元の動物愛護団体を支援するために何かを買うのが恒例なのですが、商品は実に様々です。
宗教やスピリチュアルなグループのほか、地元のホームレス用シェルターや野生動物や自然環境の保護活動を支援する団体の店もあります。
誰かへのプレゼントにユニークで独創的なものを贈ることで、同時に慈善活動にもつながるのです。
こうした品々は保護者から学校の先生への贈り物として利用されることも多く、私たちも先生方へのささやかなプレゼントを買うのに、毎年異なる団体を利用しています。
地元の動物シェルターを支援できる美しいギフトボックス