• 2025.03.14
  • ブログ リグーリア‐電動化が進むジェノヴァ
電気を動力源とする電動バスの導入に関しては、イタリアはヨーロッパの中で後れを取っています。しかし、昨年イタリア半島での公共電動車両の台数は著しく増加しました。
2024年、新たに約1,000台の電動バスとトラムが導入されたのです。
現在、イタリアで運行されているバス全体に占める電動バスの割合は1%に留まっています。一方、リグーリア州は公共交通機関の電動化が最も進んでおり、ジェノヴァ市がその動きを牽引しています。
ジェノヴァ市の取り組みにより、リグーリア州における電動バスの比率は5%まで上昇しています。この市内では100台を超える電動バスが運行されています。

ますます電動化が進むリグーリア地方の中でも、ジェノヴァ市ではすでに多くの電動バスが運行されており、今後さらに増える予定です。
市は架線からの電気で走行するトローリーバスの拡充に力を注ぎ、都心部の再開発にともなって新しい車両の購入を計画しています。
これは、新しい都市交通モデルを構築しようという非常に興味深いプロジェクトです。主なテーマは、排ガスゼロの交通手段の提供、公共の緑地の増加、自家用車の利用抑制です。通勤や通学での利用者だけでなく、観光客にとっても競争力のある公共交通機関の実現を目指しています。この計画は、市長の期待通り2025年末に完了する見込みです。
ジェノヴァの交通会社は、持続可能な移動手段の新たな選択肢を提供するため、市内中心部から郊外、沿岸部や内陸部に至るあらゆる地域で路上テストを実施しています。
電動バスが初めてジェノヴァ市に導入されたのは2023年のことです。これは交通会社にとって、最新型の持続可能な車両を試し、電動バスに対する知識を深め、性能や電気消費量をテストする新たな機会となっています。この電動バスは独特の美しいデザインを持ち、重量は30トン、リチウム電池を搭載し、フル充電時には最大200キロメートル走行することができます。
最近、新型電動バスの性能と効率に関するデータを収集するため、前述のルートでの充電テストと無人走行シミュレーションが計画されています。
これらのテストは、より環境に配慮した交通システムの普及を見据え、地域の公共交通サービスにおける電動化技術への知見を深めることを目的としています。
この取り組みは、市民に信頼性の高いサービスと高度な安全性を提供するとともに、大気質の改善を促進することを目指しています。高性能で安全、且つ快適な新型バスは、公共交通におけるエネルギー転換という重要な目的に向けた新たな産業計画を体現する存在です。同時に、これは地域の魅力を高めるプロセスの一環としても位置付けられています。


最新型の電動バス

最新の電動バスをお披露目するため、地元の公共交通機関が大規模なイベントを開催し、公共バスの歴史に残る、環境に配慮した大きな転換を印象付けました。
学校や地元機関、市民、軍隊、さらに宗教関連施設も参加したお祝いのイベントでは、ゲームや様々なエンターテインメントが提供され、参加者へのサプライズとして子どもにも大人にもちょっとしたお土産が配られました。
ジェノヴァ市は昨年、観光客だけでなく地域住民の利便性向上を目的として、歴史的中心地区や旧港と協力し、アゼネット(Azenetto、ジェノヴァの方言で「ロバ」の意味)という名の電動トラムを開業しました。
この電動トラムには、車内のQRコードを読み取ることで、窓外に広がる地域の歴史や観光情報がスマートフォンに送信されるサービスが導入されています。このサービスは5か国語に対応しています。
この取り組みは、ジェノヴァ市と市議会が進める「カルッジ・プラン」(Caruggi Plan)の一環で、住民や観光客に旧市街を訪れてもらうことを目的としています。このプランは、ジェノヴァを訪れる人たちに、あまり知られていないものの、名所に劣らず魅力的な路地を通って旧市街へと続く、独創的なアクセスルートを提供しています。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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