• 2025.06.09
  • ブログ リグーリア‐花の展覧会と例年の行事
ユーロ・フローラ(Euroflora)は、イタリアで最も有名な花の展覧会です。毎年春、ここジェノヴァで開催されるこのイベントが、今年は4月24日から5月4日にかけて行われました。
リヴィエラ・デイ・フィオーリ(「花のリヴィエラ」と呼ばれる西リグーリアの海岸線)にある著名な温室が手がけた花きやフラワーアレンジメントが美しく展示されています。このイベントは新しい世代に向けたレクリエーションと教育の場ともなっており、特に子どもや若者を中心に、自然への愛情を育成し、環境に対する意識を高めることを目的とした豊富なプログラムを提供しています。

ユーロ・フローラは、好奇心を刺激する多彩な企画やインタラクティブなワークショップ、目にも楽しいショーなどが盛りだくさんです。これらは公共機関と各種団体、出展者の連携により実現したものです。
ユーロ・フローラ2025の開催期間中、教育的で遊び心に満ち、五感に訴える体験を通じて、参加者を森林育苗のライフサイクルを巡る旅へと誘うプログラムが提供されました。まるで自然界の錬金術師のように、若き探検家たちは野生のゆりかごから自然保護区で再生するまでの種子の秘密の旅をたどります。参加者は自然多様性が守られた聖域に存在する希少な宝を鑑賞しながら、森林苗畑が森林保全戦略の要であることや、貴重な生息地を保護するための秘訣を理解することができます。触覚に訴えかける小道では、動植物の生命の質感を体感でき、マルチメディア・ステーションでは手つかずの自然環境が奏でるささやきやざわめきなどの音の風景が再現されています。チャレンジ精神や笑顔を引き出すために、環境にまつわる知識が学べるエコロジーゲームや、「自然の薬局」とも言われる薬草の秘密を明らかにするマグネットのツリーも用意されていました。
生物多様性の監視者である森林保護官が若い参加者を案内し、違法な取引の犠牲になっている木々や希少植物を間近で観察する機会を提供していました。この体験は、絶滅の危機に瀕している何千もの貴重な種を保護する必要性が差し迫っていることを若い世代に認識させるきっかけとなりました。


「ハチの巣の秘密」は、生物多様性の象徴ともいえるイタリアミツバチを取り上げたワークショップです。養蜂協会の専門家の協力のもと、一般の人々や学生たちは教育用巣箱を通して、世界中に広く分布するミツバチたちの絶え間ない活動を観察し、勤勉なミツバチたちの小宇宙について学びました。
「花と色―アートと自然」と名付けられたワークショップは、花びらの儚い美しさと子どもたちの創造性が魔法のように融合する空間で、多様な無料アクティビティが提供され、芸術的探求の場となっていました。
環境教育を主題としたさまざまな手作りワークショップ、テーマに沿ったゲーム、魅力あふれるショーなどが今年のユーロ・フローラを盛り上げていました。学生たちにとっては、理論を実践に移し、専門家と交流しながら、このイベントの実現に積極的に貢献できる貴重な機会となりました。


イベント会場には、森林浴を体験できる本物の癒しの空間が設けられていました。また、室内環境汚染から子どもたちを守る方法を学べるミニ教室、スモッグと闘う植物についての展示、緑樹が健康促進と生活の質向上にどう役立つかを理解できるセミナーなども用意されていました。
さらに、建物の内外に存在する汚染物質を軽減し、人々の心身の健康状態を改善する、室内外の植物や花が持つ、まだあまり知られていない能力についての研究成果や体験、実践的な解決策にも注目が集まりました。これはイタリアで初めての試みです。
植物や花は、私たちが吸い込む空気をより清浄で健康的にする効果があります。それによって私たちの健康や快適さが向上し、周囲の環境もさらに心地よく、穏やかに過ごせるようになります。実際、室内植物はストレス軽減、痛みへの耐性向上、生産性改善との関連性も指摘されています。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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