最近のイタリアは、空前の自販機ブームが到来しています。タバコ屋に設置されているタバコ類の自販機や、スナックや冷たい飲み物を販売する定番の自販機のほかにも、医薬品や温かい飲み物、その他様々な商品を販売する自販機があります。
日本を訪れた時にも、色とりどりのお菓子などを販売する自販機を目にしました。アメリカには、キャンプや長距離のドライブ旅行の際に食べ物を冷蔵保存するために欠かせない、氷を販売する自販機があります。
それでは、私が暮らすイタリアおよびリグーリア地方のあちこちで見かけるようになった自動販売機をご紹介しましょう。
1. 卵の自動販売機
農家や小規模農園が自販機を使って一般顧客向けに卵を直売しています。生産者は流通コストを削減し、最終的な販売価格を下げることができますし、購入者は正真正銘の地元産の卵を購入することができます。
農家の売り上げはアップし消費者のお財布にも優しいという、素晴らしい取り組みです。
2. 乳製品の自動販売機
家にチーズが無い!そんな時は、この自販機でモッツァレラ、リコッタ、ストラッキーノ、ブルーチーズやハードチーズを購入することができます。すぐ隣には、飲料水や炭酸入りミネラルウォーターの給水機も備え付けられています。
チーズ以外にも、新鮮な牛乳や地元の農場で作られた商品も扱っています。
飲料水も地元産で、ジェノヴァ近郊の山、モンテ・ベイグア(Monte Beigua)から湧き出るミネラルウォーターが使用されています。
3. ワインの自動販売機
ボトルワインの自販機はまだ少ないのですが、次第にセルフサービスのワインショップでワインを購入するスタイルが当たり前になるかもしれません。
自販機はワインに関するアドバイスはしてくれませんし、豊富な銘柄を取り揃えることもできませんが、最近では複数の銘柄を並べ、ワイン関連のグッズやアクセサリー専用のスペースも備えた自販機を見かけるようになりました。なんと最大で165本ものワインを収納できるほか、庫内の温度を0℃〜18℃に調節することが可能なので、最適な温度でワインを保管することができます。
ワインの自販機にはいくつかの利点がありますが、なんといってもワイナリーとほぼ同じ価格という点は大きな魅力です。自販機での販売は直販の延長なので、生産者にとっては新しい販路となり、購買者はワインショップやバーよりも安い価格で適温に管理されたワインを手に入れることができます。さらには、ワインをグラスで購入することができる自販機まであるのです!
ワインのセレクションは、設置される地域や原産地(アペラシオン)に応じて、ターゲットとなる顧客の好みにあわせて選定されます。ワインを購入する際には、タバコを買う時と同様に自販機に健康保険証やパスポートを挿入して年齢確認を行います。
これらの自販機は遠隔管理が可能で、位置情報が把握されているほか、安全対策も講じられており、国税庁とも接続されています。24時間販売というわけではなく、ワインやスピリッツ類の販売が禁止されている午前0時から7時までの間は購入できないようになっています。
4. デザートの自動販売機
今や、自販機でティラミスやケーキ、パイ、そしてジェラートまでもが購入可能です。どのデザートもパティシエの工房から出来立てで届けられたもので、お店のカウンター越しに注文して商品を受け取る代わりに、自販機から受け取る仕組みです。24時間営業の食品や日用品販売の最前線が、この全く新しいセルフサービスのスイーツショップなのです。
デザートは特に夜中に食べたくなることが多いので、この新サービスは顧客にもパティシエにも大好評です。
購入方法はとても簡単です。商品を選び、クレジットカードやデビッドカードで支払いを済ませると、取り出し口の扉が開いて商品を受け取ることができます。
季節ごとに違った商品を楽しめるのも魅力です。
5. 医薬品の自動販売機
薬局へ行ってみたけれど、もう営業時間が終わっていた、なんてことはありませんか?今や、生理用ナプキンや目薬、入れ歯安定剤、絆創膏、サプリメント、市販薬、消毒薬、さらには薬物検査キットまで自販機で購入が可能です。
健康保険証を使って身分証明を行い、現金またはクレジットカードで簡単に支払うことができます。
