今年もまた中国最大と言われるイベント「春節」(チュンジェ)が近づいてきました。街中の人々は新年を祝う準備に追われ、街全体がお祝いムードへと変化していきます。今年の春節は
2月8日~22日までとなり、中国のみならず中華圏国家では盛大に祝賀され、最も重要な祝祭日となります。春節とは、旧暦の正月を指し日本では旧正月と言われています。その名のとおり、立春・初春といった意味になります。普段の日常会話では春節とは言わずに「過年(グオニェン)」という言葉が一般的です。みなさんご存じでしょうか?中国の正月(大晦日)に欠かせない料理と言えば・・・正解は餃子です。日本では焼き餃子が一般的ですが、中国では水餃子が一般的です。ちなみに焼き餃子は「鍋貼(ゴーティエ)」と言います。中国の北方では、毎年大晦日の夜に家族と一緒に餃子を作ることが習慣となっており、とても大切な家族行事のひとつです。餃子を食べることは、団欒・喜び・縁起が良いとされ、特に春節時に食べる「元宝餃子」は形が「元宝(中国の昔の貨幣)」に似ているため、富をもたらすとされています。
他にも縁起の良い食べ物がたくさんあります。先ほどの餃子と同じく、魚料理も春節時には必要不可欠です。魚は中国語で「余」と同じ読み方になり良い収穫があるという意味です。今年も余裕のある豊かな生活になるようにという願いが込められています。南部の地域では、魚の並べ方にもこだわりがあり魚の身だけ食べ、頭と尾は来年までとっておき、今年一年が初め(年初め)から終わり(年末)まで無事に平和に過ごせることを祈ります。
これらのように中国の正月は「鶏鴨魚肉」鶏肉、家鴨、魚と肉をふんだんに使用した定番料理が食卓を彩ります。鶏肉は鶏と「吉」の発音が似ていることから、「百事大吉(すべてが吉祥)」という願いが込められ、また肉の赤身=紅は鴻と同じ発音になり、そのことから「鴻運当頭(幸運に恵まれる)」という願いが込められています。日本と同じように中国でも、年越しそばに代わる麺類や春雨を食べます。その細長い形状から、商売でも生活の営みにおいて細く長く安定するようにまた長寿の願いも込められています。