中秋節とは、中国の祝日で「春節」「元宵節」「端午節」に並ぶ中国の四大伝統祭りの一つです。中秋節の満月は家族団欒の象徴とされています。食事後は家族で外に出て、お供えとして
満月に見立てたお菓子の月餅やスイカ、梨、栗などの丸いものを捧げます。また、月見をするために公園へ出かけそこで月餅や果物を食べながら祝日を祝う家族も多いです。中秋節は旧暦の8月15日で新暦では9月15日にあたります。日本でも十五夜の満月を眺めながら月見団子を食べますよね。中秋節には古くからの歴史がありその昔、貴族たちは満月になると月を眺めお酒を飲み、詩を詠んだりする習慣がありました。唐の時代になると、貴族だけではなく庶民にも広く親しみをもってほしいということから伝統的祭日へと発展しました。この日は家族との絆を大切にし、一家団欒な1日を過ごしてほしいとの願いもあるようです。それでは、上海人がどうやって中秋節を過ごすかをご紹介します。上海では中秋節の際、家族や親しい友人が集まり満月を眺めながら中国式の月餅(おまんじゅう)を食べる習慣があります。おまんじゅうと聞けば、中身は餡子を想像するかもしれませんが中国は実に様々でココナッツや蓮の実、胡桃などバリエーションが豊富で、また地域ごとに異なります。最近では、塩漬けしたアヒルの卵が入っていたり、女性に人気なチョコレート月餅など年々新たな月餅が誕生しています。また、親しい人やお世話になっている方に月餅を贈る風習もあります。
そして、もう一つの習慣は金木犀で造るお酒を飲むことです。金木犀は上海人の生活で重要な役割を果たしています。一般的なものが「桂花陳酒(けいふぁちんしゅ)」です。これは白ワインにキンモクセイの花を三年間漬け込み、甘味も強く香り高いお酒です。他の果実酒と同様にサワーやロックで飲みます。金木犀のお酒は中国南部で親しまれています。
上海にも金木犀を使用したお菓子や金木犀の花を入れてお茶に香りを移した「桂花茶(けいかちゃ)」があり、非常に好まれています。中秋節の時期は街に金木犀の香りが漂い秋の夜空を眺めながら、中秋の名月を楽しみたいと思います。