光の祭典やサイバーセキュリティ国際会議など、見学したイベントはどれも楽しく、その多くは完全に無料でした。興味深いことに、歴史上の科学・技術上の重要な発見の多くがスコットランド出身者によりなされています。たとえば、ペニシリンの発見やテレビの発明はそれぞれアレクサンダー・フレミング、ジョン・ベアードによるものです。またスコットランドは、街自体が巨大な屋外建築博物館のようであり、デザインや職人技の揺籃の地でもあります。美しい王立植物園は、全ての発明の第一人者である母なる自然のモデルを鑑賞できる場所です。この植物園は、そこに生息する植物を見に行く価値があるのはもちろんですが、展示のしかたがとてもユニークでモダンなので、デザインと革新性において何度も国際的な賞を受賞しています。19世紀のロックガーデンは、初めて高山植物を取り入れて設計されたもので、丘には生態系が維持され、池や滝もあります。植物は、世界のデザインや工学の分野において、閃きやアイデアの源なので、園内の一角にはそのような場が設けられており、一種の屋外博物館と言えます。残念ながら写真は持ち合わせていませんが、私の言葉通り、訪れる価値のある場所です。街の中心部には、エジンバラ城が死火山の上に聳えています。9世紀に建てられた、街最古の建築物であり、山の頂上から街を見下ろしています。ほかの城と同様に、この要塞もかつては街の軍事拠点であり、象徴的なものにすぎませんが、イギリスの古い要塞の中では今なお軍事的要塞としての姿をとどめています。この城はスコットランドの権力の象徴であり、歴史ある建物や素晴らしい街の眺望で観光客を魅了しています。城内では、国際展示会が催され、一度に1万5千人まで収容できます。たとえば、研究やワークショップ、パフォーマンス上演、討論会などが行われ、それらに共通するスローガンは「科学・技術・工学・デザインをより良い世界づくりにどう生かすかを探究する」というものです。私のお気に入りは光の祭典で、エジンバラ城の西壁にデジタル動画が次々と投影されます。この光のショーは、街のいろいろな場所からよく見えますが、低い場所、とくに中心街のカフェなどが映像やサウンドトラック音楽がよく見聞きできるスポットです。私はよく水と軽食(ショーは長時間に渡るので)、それから防寒着を持参して、城の真下にある公園からショーを眺めます。エジンバラ・フェスティバルは8月に開催されると思っている人がほとんどですが、実はそうではありません。市内では1年を通して12のフェスティバルが行われ、さまざまな芸術が披露されてすべての観客を魅了しています。こうした素敵な文化行事は年間を通して催されますが、8月に行われるフェスティバルは、ハイシーズンで観光客が集まるため(天候も比較的良いです)、最大規模で一番人気があるのです。エジンバラが「フェスティバルの街」と呼ばれるようになったのは偶然の産物ではなく、その評判は世界中に広まっています。
ディープ・イン・タイムは、エジンバラ国際フェスティバルの無料イベントの一つで、アニメーションや光、音楽とともに叙事的なパブリックアートが屋外で展示され、壮観です。エジンバラの3億5千万年にわたる長い歴史を掘り下げるもので、毎年、世界的に著名なオーケストラや作曲家が、スコットランド現代音楽を特別にプロデュースしています。ディープ・イン・タイムでは、歴史あるエジンバラの街の起源を再認識することができ、街の象徴であるエジンバラ城とその岩肌が、この土地独特の深い地史に感化されて作られた、素晴らしい投影やイルミネーションを映し出す凹凸のあるキャンバスとして使われます。私は去年、ハーモニウムの演奏を満喫したので、イベント開幕日夜の見物を是非お勧めします。初日の夜には、花火やレーザー、投影などの特殊効果と役者を使って、戦闘シーンや歴史上の出来事が再現されます。開幕式は、エジンバラのオーケストラとスコットランドの楽隊が参加し、盛大に行われます。このイベントは誰にとっても面白く、大変興味をそそるものなので、私も見学してスコットランドの歴史を多く学びました。ですから、大人も子供も楽しめる、娯楽と教育を兼ねたイベントだと言えます。
特派員
- パトリック・ サッコ
- 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア
こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。
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