実際に旧市街をぶらついてみると、ケベックシティほど圧倒されることはありませんでしたが、モントリオールはとても雰囲気が良く、移民とその2世、3世が大勢住んでいるためカナダでは一番ヨーロッパっぽい街だと思います。
モントリオールの旧市街にはレストランやバーがたくさんあって、夕方になるとここと港を行き来する人々でにぎわいます。ノートルダム大聖堂は旧市街屈指の美しい建物で、パリのノートルダム大聖堂を思わせるその形、大きさそしてネオ・ゴシック建築は、6ドルの入場料を払ってでも見る価値があります。内装はほとんどが木造で、青紫色の丸天井の下には祭壇が、反対側の青色の丸天井の下には足踏みオルガンが配置されています。
大聖堂の近くにはチャイナタウンがあり、入り口にはチャイナタウンを示す中国の表意文字が刻まれた巨大な門がそびえています。中の通りを進むと、付近にあるたくさんの中国料理、ベトナム料理、韓国料理レストランからの揚げ物の香りに包み込まれます。
通りには中国人コミュニティの生活があふれており、まるで北京や上海の市街のように中国のあらゆる伝統的慣習が息づいています。ダウンタウンから少し歩いた所には、1976年に開催されたモントリオールオリンピックを思い出させる高層ビルが建っています。
街の下に造られた33kmにわたる地下街はモントリオールの特徴的施設です。地下街は1年を通して市民に利用されていますが、「威力」を発揮するのは冬で、夜になると外気がマイナス25℃まで下がるこの街の暮らしを支えています。雪が白い毛布のように街を覆い尽くしても、身動きがまったくとれないなんてことのないよう、多くのオフィスビルは地下にも入り口を構えています。
地下街にはいろんなお店やスーパーマーケット、ショッピングモール、カフェ、バー、レストラン、ドラッグストアがあり、オフィスや美術館にもつながっています。プラス・デ・ザールからすぐの現代美術館は地下街にも入り口があるのです。でも、この入り口の唯一の小さな欠点は見つけにくいことで、私も15分くらい歩き回り、地下通路のどこにあるのかたくさんの人に尋ねましたが、入り口の表示は見当たりませんでした。
美術館はカルティエ・ラタン(ラテン地区)という若者の多い活気に満ちたエリアに位置しています。プラス・デ・ザールはその中心にあり、敷地内の広場にはアートインスタレーションが展示されています。カラフルな階段のおかげで広場は簡単に見つけられます。
カルティエ・ラタンから少し歩くとザ・ビレッジがあります。かつては悪評の高い退廃したエリアでしたが、再開発されて色彩豊かな街並みに生まれ変わりました。それもそのはず、このエリアの特殊性を象徴するサンカトリーヌ通りは、見渡す限り隅々までカラフルなグラフィティで装飾され、端にはレインボーフラッグが掲げられていますからね。通りの両側にはナイトクラブやバーなどの社交場がひしめき合い、脇道ではストリートアートファン向けの美しい壁画アートが目に飛び込んできます。
この辺を歩いていると、音楽とストリートフードに誘われてサンドニ通りへ引き寄せられるかもしれません。サンドニ通りは混雑して見えますが、若者が集まるバーやレストランがいっぱいあるので、仲間と過ごす夜にはうってつけですよ。