アルプスやその他の高い山脈を見慣れている人には、スコットランドの山はちょっと低く思えるかもしれませんが、忘れてならないのは、この辺の山はほぼ全て海抜ゼロメートルから始まっているので、たとえ低めの山でも実際に登るとなると大変だということです。
しかも、ここスコットランドの天気はとても変わりやすく、実際、山登りをしているときに霧が出て道に迷ってしまい救出される人は年間数千人にのぼりますし、不運にも生きて帰ってこられない人もいます。
つまり、スコットランドの山を甘く見てはいけないのです。
スコットランドの山はこの地域特有の分類で二つに分かれていて、2,500フィート(約760m)超~3,000フィート(約910m)の山はコーベット、3,000フィートを超える山はマンローと呼ばれます。
ハイランド地方はスコットランドのシンボルとしてよくイメージされますが、まさに息をのむような絶景で、ベン・ネビス山がそびえるグランピアン山脈をはじめ、緑の高原と山脈が広がるヨーロッパ屈指の景観地です。
この地方は荒野に覆われた山岳地帯です。北海岸の沖にはオークニー諸島とシェトランド諸島、西海岸沿いにはヘブリディーズ諸島が連なっています。沿岸部はギザギザしたフィヨルドが続き、山脈が始まる場所から奥深くに入り込んでいます。
ローランド地方はテイ川、フォース川、クライド川に囲まれた、スコットランドで最も人口と産業が集中する地域で、スコットランド人の4分の3がここに暮らしています。
この地方はハイランドとアップランドの二つの地方に挟まれていて、アップランドも山岳地帯ですがハイランドほど有名ではありません。
スコットランドで一番アクセスしやすく、登りやすいのはベン・ローモンド山というマンローです。グラスゴーの都市部から近く、上りも下りもきつくないので、おそらく最も人気のある山です。
とはいえ、この地域の緯度や気候にほとんど慣れていない人には大変かもしれません。私が読んだ情報によると、道はよく整備されているし、頂上からのローモンド湖の眺めは最高なので苦労して登る価値はありそうですが、登頂するには3時間ぐらいかかるとありましたからね。
また、中級者以上向けに長時間散策できる山のほうが良ければ、ハイランド地方のケアンゴームズにあるベン・マクドゥイ山を試してみるといいそうです。ベン・ネビス山に次いで、スコットランドで2番目に高い山です。
ベン・マクドゥイ山で山登りやハイキングをするのは神秘的な体験だと言われています。日光が山の斜面に反射する影響だという人もいれば、頂上を目指していると何かの気配を感じるという人もいます。とにかくスコットランドの日光や雰囲気は独特で、あるときは神秘的だったり、またあるときは不気味だったりするのです。
ベン・ブラッキー山はコーベット、つまり標高3,000フィート未満の山です。比較的登りやすそうですし、パースシャーのピトロクリーという街から近いため、ハイランドの奥地までわざわざ行くのは抵抗がある人にもアクセス良好の場所にあります。なんと、かつてはバイキングもここを通ったそうですよ。
いろいろご紹介してきましたが、イギリスで一番高い山はハイランド地方にあるベン・ネビス山で、近郊にはフォート・ウィリアムやネス湖もあります。ハイキングにも登山にも大人気で、めまいがするほどの高さはないものの準備を怠れば危険な山です。一般的に利用されているルートはポニー・トラックと呼ばれていて、19世紀から存在していました。