• 2021.05.10
  • 旅行者気分でオタワを散策
ここオタワでは毎日約200人の新型コロナウイルス感染者が確認されていて、未だに多くの行動規制が敷かれています。例えば、
- 同じ家で暮らしている者同士を除き、自宅での集まりは禁止。屋外での集まりは最大5人までとし、一緒に過ごす間は適切な距離を確保しなければならない。
- ジムは未だ閉鎖中。レストランやカフェは、現在のところテイクアウトとデリバリーサービスのみで営業が可能。
- 小売店、郵便局、医療機関、スーパーマーケットなどの生活に必要不可欠な施設は、現行のルールでは入場者を50%に制限すれば引き続き営業が可能。
といった具合です。
一日中家にいるとおかしくなりそうなので、仕事をしていなくて外出が禁止されていない時間帯にはなるべく散歩に出かけ、自分が暮らす街を観光客気分で楽しむようにしています。リドー運河沿いを歩くことが多いのですが、ここは景色の変化に乏しく、歩いていても史跡などに出くわすこともありませんが、とても気持ちが良いコースです。運河が狭まっているところでは、まるで絵画のような美しい景色が広がっています。木々が生い茂るエリアも多く、自転車用の道路があり、素晴らしい景観や美しい邸宅も数多く見られます。それらの邸宅は、かつては各国大使の住居として使われていたもので、このエリアの社会経済水準が今でも非常に高いことは明らかです。全長150kmに及ぶこの運河は、アメリカの侵攻によってオタワ川を始めとする水路が封鎖されることを恐れて、軍事目的で作られました。カナダ人はいつでも安全なルートで物流を確保できるように運河を建設したのです。1800年代初頭にこの街が発展し始めたのは、運河が最初に建設されたエリアの周辺でした。実際には運河が当初の目的のために使われることはなく、ほどなくしてボートの旅が楽しめるスポットになったのです。
川から運河へ入ると、今でも手動式の水門が並んでいます。水門を開けるとその個所の水位が変わり、ボートは次のエリアに進むことができるのです。全ての水門を通過するのにどれほどの時間がかかるのかは分かりませんが、見たところではとても長い手順が必要なようです。
オタワの繁華街は今ではすっかり雰囲気が変わってしまいましたが、ここは以前から静寂に包まれ、絵のように美しい場所でした。しかし、コロナ禍以前は数少ないメインストリートや中央市場には活気に満ちたレストランが軒を連ね、食事をしたりぶらぶらしたりするにはもってこいの、安心して過ごせる素敵なエリアでしたが、今では閑散としています。一方、カナダ総監公邸(リドー・ホール)の近くにはお奨めの散策スポットがあります。誰でも利用できる広大な公園ですが、まるで私有地のようによく手入れされた場所なのです。公園には沢山の木がありますが、どれも大統領や要人、各国の王室メンバーといった方々が国賓として訪れた際に植樹したものです。それらの木の根本には銘板が付けられていて、いつ誰が植えたのかが記されています。何の木か、誰が植えた木かを当ててみるのも宝探しのようで楽しいですね。公園での散歩を特別なものにしようと、ウィリアム王子とキャサリン妃がカナダ訪問の際に植えた木を探してみました。ご夫妻がこの公園を訪れて木を植えた、というのは記憶にあったのですが、それが何の木だったかは見当もつきませんでした。目的の木を見つけるのは想像していたよりも難航しましたが、木々はランダムに並んでいるのではなく、あるカテゴリー別にまとめて植えられていることに気が付きました。ということは、公園のどこかに王室の方々の木がかたまって植えられている特別な一角があるはずです。というわけで、エリザベス女王が植えた雄大な木を見つけた後、ウィリアム王子とキャサリン妃のモミの木もすんなりと見つけることができました。

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。

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