• 2022.09.07
  • テキサスのティーンエイジャーたちの運転事情
アメリカでは、15歳でも助手席に大人が同乗すれば運転することができ、16歳になると大人が同伴しなくても運転できる、ということは以前からテレビや映画を通して知っていました。とはいえ、アメリカに引っ越してきて実際に10代半ばの若者たちが運転しているのを見た時にはびっくりしたものです。
私の祖国イタリアでは17歳から運転の訓練を受けることができますが、運転できるのは教習所内に限られています。
何度か教習を受けて十分な運転技術が身についたら、教習所と車両管理局が仮免許のような証明書を発行してくれます。これがあると、大人が助手席に乗っていれば公道を運転することができます。
アメリカの運転文化がイタリアと大きく異なるのは、様々な理由があるようです。
第一に、アメリカの高校は午後2時ごろに授業が終わり、学生たちの多くは学校からアルバイト先へと直行します。授業のない土曜や日曜でも同じです。仕事が終わると急いで家に帰って勉強をして、翌日に備えて早めにベッドに入ります。というのも、アメリカの高校では朝7時から7時半に授業が始まるのです。
さらにはスポーツやコーラス、音楽といった課外活動もしょっちゅうあります。
というわけで、アメリカの高校生はとても多忙な日々を過ごしており、生活には車が欠かせません。ですから、法律で認められる年齢になればなるべく早く自立する必要があるのです。アメリカ、特にテキサスでは移動距離が長いのでなおさらですね!
どちらかの親の手が空いていない限り、長距離にわたって子どもを市内のあちこちへと送迎するのは簡単なことではありません。「ペアレンツ・カープール(parents carpool)」と呼ばれる仕組みを利用している保護者たちもいます。ある1人の親が車に何人かの子どもを相乗りさせて送迎し、これを何軒かの家庭で順番に持ちまわるのです。というわけで、子どもたちができるだけ早く自立してくれるとみんなが楽になるのです。AT車の運転のしやすさとアメリカ人の穏やかな運転のおかげで、免許はとても簡単に取得できます。ティーンエイジャーたちがその辺を車で走っていると思うと都心部では安心して過ごせそうにもありませんが、テキサスの道路は幅が広くて直線が多いので、きっと運転も楽勝でしょう!
子どもたちは15歳になると筆記テストの準備を始めることができ、車両管理局のホームページにも掲載されている学習マニュアルを使っての勉強は14歳から開始可能です。
端末から受験する筆記テストは多肢選択方式で、アメリカの移民の多さに配慮していくつかの言語に対応しています。
なかには紛らわしい表現のトリッキーな問題もありますが、ちょっとした常識を備えていれば難なく解ける内容です。
私がテキサスで免許証を切り替えた時にも、この筆記テストに合格する必要がありました。
筆記試験にパスし、年齢が15歳6ヶ月に達していれば、視力検査の合格を経て運転の練習のお許しが出ます。
一般的にドライビングスクールでの教習では、理論の授業とインストラクターが同乗しての運転教習が行われます。家に車がない場合には、教習所の車両を使うこともできます。
18歳未満の子ども向けの車両保険は割高ですが、学業に励んでいる生徒ほどより慎重な運転を心がけるものとみなされるので、半年ごとに優秀な成績表を提出すると保険料が安くなります。

また、アメリカの運転免許証に運転手の身長や体重などの情報まで記載されているのは、イタリア出身の私には驚きでした。
万が一の時のために、免許証に臓器提供の意思表示を記載することもできます。


特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。イタリアからスコットランドへ移住し、2022年4月にアメリカのテキサス州オースティンに引っ越してきました。
仕事は土木技師、趣味は詩を書くことです。時間のあるときはドライブをして新しい場所を発見するのが好きです。
アウトドアが大好きで、キャンプやハイキングにもよく行きます。
この新たな土地でたくさんの友達をつくって、みなさんにもこの街のことを知ってもらえればと思います。

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