• 2023.08.24
  • 魅惑のルイジアナ ― ガンボ、ブードゥー教、そして墓地
アメリカで最も魅力的な町のひとつ、ニューオリンズを訪れる機会に恵まれました。文化、食、音楽が融合したこの街は、アメリカ南部を旅行するなら絶対に訪れておきたい場所です。ミシシッピ川のほど近くにあるニューオリンズは、18世紀にフランス人入植者のコロニーとして誕生しました。ルイジアナ州の主要都市のひとつで、ジャズ発祥の地として世界的に有名ですが、ブードゥー教が信仰されている街としても知られています。
ニューオリンズへは仕事で訪れたのですが、数日休みを取ってこの街を存分に楽しんできました。

元々はコロニーだったこともあり、市内にはヨーロッパの影響を受けた建物が立ち並んでいて、特にフレンチクォーターなどのエリアでは多く見かけます。2005年8月末、不運なことにハリケーン・カトリーナが猛威を振るい、多くの犠牲者を出し、街も壊滅的なダメージを受けました。復興が進められていますが、多くの人が他の場所への移住を余儀なくされました。
フレンチクォーターの細い路地を歩きまわると、旧市街のカラフルな家々が目に入り、ヨーロッパにいるような気分を味わえます。ガーデン・ディストリクトや、ラファイエット墓地とフレンチメン・ストリートの間のエリアも徒歩で散策するにはぴったりの場所です。夕方には、ニューオリンズを徒歩で巡るツアーが無料で開催されていて、「ゴーストツアー」もふたつ含まれています。フレンチクォーターにクレオール人の魂を探しに行く「肝試しツアー」と、旅行者が街の伝統と民間伝承を追体験し、ニューオリンズが誇る最もユニークなサブカルチャーである「ブードゥー」の世界を垣間見ることができる「ブードゥーツアー」です。
驚くことに、墓地もニューオリンズの観光名所のひとつなのです! そうです、本当にお墓が人気を集めているのです。市内に墓地は数あれど、最も重要なのはブードゥー教の女王、マリー・ラヴォーの墓のあるセントルイス墓地でしょう。訪れる人はこの墓の前で足を止め、願いごとをするのが恒例となっています。もうひとつ、「小さな死者の街」とも呼ばれるラファイエット墓地もニューオリンズに来たら欠かせない場所で、映画のロケ地としても度々使われている人気スポットです。
全米で最も古いカトリック教会として知られるセントルイス大聖堂をはじめ、ニューオリンズの教会ではゴスペルコンサートが開かれています。
この街で休暇を過ごすなら、キャナル・ストリートとガーデン・ディストリクトを結ぶ古い木製トラムに乗るのもお忘れなく。車窓からは古い邸宅を望むことができます。
それから、ここはおいしい物に目がない人にはうってつけの場所です。アフリカ移民の伝統料理とフランス料理が混ざり合った上に地元食材が一層味を引き立てる、アメリカ屈指の絶品料理に舌鼓を打つこと間違いなしです。
魚介類がたっぷり使われているのが特徴で、名物料理のひとつが「ガンボ(Gumbo)」です。これは鶏肉とエビを使った濃厚なスープです。ローリエなどこの料理に欠かせない調味料はアメリカ先住民たちから伝わり、もうひとつのガンボに欠かせない食材・オクラは西アフリカの奴隷たちがルイジアナに持ち込みました。
かの有名なサンドウィッチ「ポーボーイ(Po' Boy)」もこの地域の伝統料理のひとつで、レシピの起源は大恐慌時代にまでさかのぼるのだとか。パンの間にはローストビーフ、牡蠣、蟹肉、揚げた魚介類などが挟まれています。
みなさんお馴染みのジャンバラヤ(Jambalaya)は、フランス、スペイン、アフリカそしてアメリカ先住民の影響を受けて誕生した料理です。肉と野菜を炒めたところに長粒米と特製スパイスソースを加えて煮込んだ、ニューオリンズを代表する一品です。
デザートなら、ペストリー生地を油で揚げて砂糖やスパイスをまぶした、フランス生まれのお菓子「ベニエ(Beignet)」がおすすめです。



特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。イタリアからスコットランドへ移住し、2022年4月にアメリカのテキサス州オースティンに引っ越してきました。
仕事は土木技師、趣味は詩を書くことです。時間のあるときはドライブをして新しい場所を発見するのが好きです。
アウトドアが大好きで、キャンプやハイキングにもよく行きます。
この新たな土地でたくさんの友達をつくって、みなさんにもこの街のことを知ってもらえればと思います。

パトリック・ サッコの記事一覧を見る

最新記事

リポーター

最新記事

PAGE TOP