アメリカでは、オークションがとても人気です。
多くの人が足を運ぶ地元のオークションでは、車やバイク、様々な品、それから家までも競売にかけられることがあります。
不動産オークションに登場する住宅の多くは、前の所有者が住宅ローンや税金を支払えなかったために差し押さえられ、売却されることになった物件です。
オークションは開始価格からスタートし、入札のたびに価格が上がっていきます。落札希望者は、お目当ての不動産に対してより高い金額で入札する人がいなくなるまで価格を上げていきます。
開始価格は、税金の未納額に郡がオークションの通知と公表にかかった事務管理費を加えた金額で決定されます。また、その物件の市場価格に一定の比率(約2%)を乗じた額が固定資産税となるため、オークションの開始価格は物件の資産価値よりもかなり安くなるのが常で、入札とともに金額が上がっていっても十分にお買い得なのです。
どのオークションでも、最高額を提示した人が落札者となり、譲渡証書を獲得して抵当権や負債が抹消された家の新しいオーナーになります。
不動産オークションは何千もの郡で毎月開催されていて、中には毎週行われているところもあります。なぜこれほど頻繁に開催されているかというと、延滞利息が課されるにもかかわらず不動産税を滞納する人や支払えない人が多いから。そのため、物件数が需要を上回ることも少なくありません。
新しいオーナーは、前の所有者が借り入れた住宅ローンを返済する必要はありません。銀行からの借金は高額になる場合が多いし、支払いも大変なので、この点は非常にありがたいですね。
重要なポイントは、事前に物件の状態を知っておくことです。
この種のオークションに参加するなら、入札する物件のコンディションを的確にリサーチしておくことは欠かせません。改修に必要な予算も試算できるし、オークション開始前に入札上限をいくらにするかも決めておけますからね。不動産を落札する際には、自分の入札上限額を正しく設定することが最も重要です。これをしくじって物件の価格を高く見積もってしまうと、あまりにも高い値段で購入する羽目になり、修繕がすべて終わった時点での利益率がおそらく非常に低くなってしまうでしょう。最悪の場合、損失を被ることにもなりかねません。
改修後に売却が可能となった時点での家の市場価値を正確に見極めた上で、いくらまでなら入札できるかを決める必要があるのです。
それから、アメリカでは貸倉庫オークション(落札者が貸倉庫の中身をすべて引き取るオークション)も人気を博しています。
このオークションにはお買い得品を見つけようとする人だけでなく見物人も押しかけるので、常時大賑わいです。
職員やオークション業者、そして貸倉庫の所有者または管理者の立ち会いのもと、オークションの参加者たちは競売にかけられる倉庫の前に集まります。扉がひとつずつ開けられると参加者は素早く中を確認し、その後開始価格からオークションがスタートする、という仕組みです。だいたいの場合、中にはテレビや工具、ベッドのマットレス、家具、ステレオ、そしてありとあらゆる種類の私物が入っています。
倉庫内の品々は高く積み上げられていたり段ボール箱の中に詰められていたりすることが多いので、何が保管されているのかがよくわからないまま、入札しなければなりません。
競売にかけられるのは、中身を残したまま放置されていたり、毎月の賃料の支払いが滞ったりした倉庫です。
貸倉庫の契約条項には「賃借人は倉庫内の物品を一定の期間内に回収しなければならず、これを守らない場合には、物品は競売またはごみ処理場で処分される」旨が記載されています。
倉庫の荷物の山から宝石やまだ使えるハイテク機器、ブランド衣類といったお宝が発見されることもあります。ハーレーダビッドソンのバイクが見つかったこともあるのだとか!
アメリカ人の大半は人生の中で一度や二度はレンタル倉庫を借りるので、引越しや死去が原因で、あるいは単に存在を忘れてしまって倉庫を放置してしまうことは十分にあり得ます。
なぜアメリカ人がこうしたレンタル倉庫を借りるのかというと、生涯で引越しをすることが非常に多いため(大部分は国内での移動ですが)、収納スペースが不足しているため(アメリカの人は物が多いほど幸せだと感じるのです!)、そして国外で仕事や学業につく機会があるため、といった理由が主に挙げられます。
- 2023.10.03
- 何でも買える!アメリカのオークション