• 2024.10.21
  • エルジン-古き良きテキサスを味わえる町
エルジン(Elgin)と言う歴史ある小さな町はオースティンからすぐ近くにあるのですが、まるで別世界に来たような気分になります。
ここを訪れると、古き良きテキサスを味わうことができます。
友人のひとりがこの町に家を購入したため、たまたま訪れる機会を得たのですが、家の価格を聞いて驚きました。エルジンなら、オースティンのダウンタウン地区にある1ベッドルームのアパートの値段で、裏庭とガレージが付いたほどよい大きさの2階建ての一軒家を余裕で買うことができるのです。
ここは市内のダウンタウンから30分もかからない場所にあると言うのに、異なる点がたくさんあります。

オースティンではオーガニック専門の高級スーパーで小洒落た人たちが食品を購入していますが、エルジンでは家族連れが何ガロンもの牛乳や大量のジャンクフードをカートに山積みにしている姿を見かけます。一体どうしてなのでしょう?
エルジンはテキサスの農村地域への玄関口で、ここから先は牧場が広がり、住民たちはかなり離れた場所で暮らしているので、ひと月に1度まとめ買いをしに来ているのだそうです。
その他の大きな違いを挙げると、近年の健康志向によりオースティンではそこらじゅうにジムがありますが、エルジンではそれほど多くありません。ここにはテニスやバスケットボールなどのコートを無料で利用できる広い公園があるので、十分な運動ができるというわけです。
放課後になると、若者たちが集まって、一緒に過ごしている姿を見かけます。小さい町なので、みんな知り合いなのでしょうね。
また、都会には流行の最先端を行く高級ブティックが立ち並んでいますが、この町にあるのは古き良き時代の遺物を見つけることができるリサイクルショップや中古品マーケットです。
こうした店を訪れると、老婦人が出迎えてくれて、祖先にまつわる話やテキサスに移った経緯などを聞かせてくれます。
店内には、ハンドメイドのキルトやテディベア、アクセサリー、家具、そしておもちゃなどが並んでいます。

また、オースティンで誰かに出身地を聞くと、オースティン以外という返事が大半で、外国で生まれたと言う人も少なくないのですが、エルジンのようなテキサスの小さな町では地元で生まれ育った人が大多数を占めています。
規模は小さいながらも快適に暮らすために必要な環境が全て揃っているエルジンは、家族や仕事を引退した人が住むのにぴったりの場所です。若者を除いて、住民の多くはあまりオースティンに行くこともありません。
なぜなら、この一見小さくて静かな町は実のところ活気にあふれているからです。地元の人たちで賑わうカントリーミュージックが楽しめる素敵なスポットもあるし、ドライブスルーの列が一晩中絶えない評判のスムージーショップもあります。
そして、この町一番の名所で、テキサスの歴史を学ぶのに最適な場所でもあるのがデポ・ミュージアム(Depot Museum)です。
この博物館には、交換機やかなり古い電話機、古い写真や住人の間に代々伝えられてきた地元の物語など、幅広い品が展示されています。
博物館の入口ではボランティアの地元の老婦人たちが入館者を出迎えてくれ、この地域を中心としたテキサス州にまつわる話を聞かせてくれます。
この博物館では、鉄道について、そして鉄道がこの地域の通商と歴史にどんな変化をもたらしたかについて学ぶことができます。他にも、奴隷制度や奴隷の歴史が終焉を迎えることとなった奴隷解放に関する展示も用意されています。
その他にも古い汽車の部品の展示を通して、汽車がどのようにして動いていたかを知ることもできますし、出口付近にある小さなショップではお土産も購入できます。
エルジンでは、車が走る公道の真ん中で馬に乗っている人を見かけることも珍しくありません。そして、都会では感じることのできないテキサス特有の自然の風景も楽しむことができます。
なんとも魅力的な町ですが、私はダウンタウンでの暮らしのほうが気に入っています。本物のテキサスで暮らす準備は、まだできていませんからね。

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 年齢酉年(とり)
  • 性別
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。イタリアからスコットランドへ移住し、2022年4月にアメリカのテキサス州オースティンに引っ越してきました。
仕事は土木技師、趣味は詩を書くことです。時間のあるときはドライブをして新しい場所を発見するのが好きです。
アウトドアが大好きで、キャンプやハイキングにもよく行きます。
この新たな土地でたくさんの友達をつくって、みなさんにもこの街のことを知ってもらえればと思います。

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