テキサスは広大で多様性に富んだ、とてもカラフルな州です。
「カラフル」といっても、つい先日行われた大統領選での赤色(共和党・トランプ氏の色)を指しているわけではありません。
テキサスは様々な味わいが楽しめると同時に色彩豊かで、果てしなく広い大地が続き自由にあふれた、とても楽しい場所です。
私はここに引っ越してくる前から、テキサスに関する映画を見たり話を聞いたりするだけで、ワクワクしたものです。
テキサスには多種多様なものが揃っています。
そのため、テキサスをひとつの形容詞で表現することは不可能です。広大な土地に多文化・多民族が共存し、時に対立しながらも色彩豊かな社会を形成しています。平坦な大地が広がる一方で、多様な魅力に満ちた場所でもあります。しかしながら、テキサスは何よりも非常に保守的な州として知られています。
また、テキサスは印象深い州でもあります。例えば、州内の至る所に掲げられている様々なサイズの州旗にしても、強く記憶に残ります。州旗の象徴であるローンスター(the Lone Star、ひとつ星)はテキサス州の愛称にもなっています。青い長方形の中に白い大きなひとつ星が描かれ、その右に白と赤の帯を配置したこの旗は、テキサスの本質を見事に表現しているように思えます。団結力がありながらも独立心が強く、唯一無二の存在である巨大なローンスター州、それこそがまさにテキサスの姿ではないでしょうか。
そして、ここに暮らす住民たちもまた、非常にユニークだということも付け加えておきましょう。
テキサス州旗には、アメリカ国旗と同じく白、青、赤の3色が使われていて、白は「純潔」を象徴しています。
個人的には、この白は道路沿いに続く広大な綿花畑を表しているように感じます。私が初めて綿花畑を目にしたのは、テキサスへ移住してパドレ・アイランド(Padre Island)へ向かう道すがらのことでした。はるか遠くに、澄んだ青空と対照的な白い広大な一角があることに気が付いたのです。
想像とは裏腹に、綿花は柔らかさとは無縁で非常に硬く、さらには鋭い棘まであって驚いたものです。
それから、牧場の柵も白色です。
道端で郵便ポストを見かけたら、それはすぐ近くに牧場がある証拠です。一見誰も住んでいないように見える場所にポツンとポストが立っているのですが、その近くには牧場が広がっているのです。こうしたポストを見かけるたび、このエリアを担当する郵便配達員の苦労を想像せずにはいられません。また、テキサスでは地元の学校に通うには遠すぎるため、自宅で勉強する子どもたちも大勢います。
一方、州旗の青は「忠誠」を象徴しているのですが、私がイメージするのは、テキサスの上空にどこまでも広がる、澄み渡った果てしない青空です。
土地が広いからか、はたまた平原が果てしなく続いているからか、テキサスで見上げる空はなんだか大きく感じられます。
そして、州旗のもうひとつの色、赤は「勇敢さ」を表しています。
赤は、まさにテキサスを象徴する色だと思います。ブーゲンビリアの花や建物の屋根、古い家々のレンガなど、赤色を街のあちこちで目にするからです。カウガールの帽子を飾るリボンも赤ですし、カウボーイのチェックシャツも黒と赤の組み合わせです。
私にとって、赤は「暑さ」を連想させます。テキサスの夏はどこもかしこも灼熱の気温になり、日が沈んだ後でさえ暑さが残ります。皮膚だけでなく、目でも暑さを感じるほどです…アスファルトを見るだけで、地表から熱気が立ち上がって来るのが感じられるのです。
テキサスは非常に保守的な州として知られていますが、同時に多様性に富んでいます。ヒスパニック系、アジア系、アフリカ系アメリカ人、ヨーロッパ系など、様々なバックグラウンドを持つ人々が数多く暮らしています。テキサスの人たちは他者から愛され敬われることを大切にしているので、州外の人が想像するよりも温かく迎え入れてくれます。彼らが求めているのは、互いに尊敬の念をいだくこと、規則を尊重すること、そしてテキサス州旗であれアメリカ国旗であれ、ひとつの大きな旗の下で団結することです。
テキサスほど住民が親切な場所を私は知りません。また、テキサス以上に住民がルールの遵守に厳しい場所も知りません。
彼らのように互いに敬い合い、ルールを遵守すれば、虹のように多彩で美しいテキサスの素晴らしさを実感できることは間違いありません。