サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 「美の楽園紀行」──印象派・琳派そして鉄斎の読み解き方
開催日: 2015年3月26日
美術を見る時にありがちなのは、絵の構図や色などを取り上げて、うまいとかいいとか、批評することが多い。
ところがこうした見方は実は美術を大きく理解するのにたいへん遠回りの方法です。
それよりむしろ、その絵はどんなユートピア=楽園を究極で目指しているのか、そちらに目と頭をフォーカスすることによって、絵は急に親しく見えてくるし、断然理解が進みます。
今回は(1)印象派=西洋、(2)琳派=日本、(3)鉄斎=中国(文人派)と三様の楽園を取り上げ、画家たちの目指す世界観の共通性や差異点を探りながら、美術の読み解き方を語っていただきます。
いずれも実際の常設作品を取り上げますので、今後、旅行などで美術の趣味を広げたい方にも、新しい発想を求めるビジネスマンの方にも役立つようにお話しいただきました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
岩佐 倫太郎氏
美術評論家 株式会社ものがたり創造研究所 代表取締役社長
1972年
京都大学文学部卒 株式会社大広入社
広告制作、イベント、空間事業のプロデューサー
代表的な事例は キッズプラザ大阪、アムラックス大阪(トヨタ)など
2003年
株式会社ものがたり創造研究所を設立
レクサス店のサロンの設計、ハウステンボスの再生、丹青社顧問、イマジカ顧問など
2012年
美術批評の単著「東京の名画散歩――印象派と琳派が分かれば絵画が分かる」を上梓
絵の見方、美術館の回り方についての記事を各雑誌に発表するほか、講演活動を行う
ナレッジドナーインタビュー
- 木曜サロンに参加した感想は?
- 僕は、皆さんが絵の楽しみを生活のなかに取り入れ、友達とファッションについて話すように楽しんで欲しいと思っています。加えてほんの少し、何故肖像画や風景画が出来たかといった知識があればより分かりやすいと思います。今日はそのために、見るヒントやどこの美術館のどの絵が良いということを、僕の感じ方を加えてお伝えしました。これで面白いと言ってくれる人がいれば嬉しいです。
- 今後サロンに期待することは?
- 集客ですね。今日はお年寄りの方の参加が目立ちましたが、本来サロンは現役世代の人が多いと思います。そういった若い人たちにこそ来てもらって、仕事ばかりではなく、何か洒落た趣味を持って欲しいのです。どこの店が美味しいや、ラーメン談義もいいけれど、日本画をちょっと知っているというのも教養として新しくていいじゃないですか。焼き物を若いビジネスマンや女性が自分の生活の器具、例えばランプシェイドを選ぶように見て、カッコ良さに気付くというのもいいでしょう。そういう目を開いてもらいたい、開眼して欲しいと考えています。ビジネスだけではなく、新たな発見の場としても利用して欲しいです。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。