サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ジャポニスムの真相に迫る! ~ゴッホと印象派~
開催日: 2016年9月1日
○活動の主旨、目的○
19世紀の後半、開国した日本の浮世絵が欧米に流入するとともに、印象派の画家や文学者たちを熱狂させ、その後の西洋絵画史に衝撃的な影響を与え続けた「ジャポニスム」。
西洋美術と言うと、多くの方は日本が一方的に輸入ばかりしてきたと思いがちですが、実は日本の絵画文化が西洋世界を席捲した時代があったんです。
その理由は何か?なぜ、ゴッホ、モネをはじめとした西洋画の大家がこぞって礼賛し、模倣までしたのか?
今回のサロンでは、美術の基礎教養ともいうべき「ジャポニスム」について、当時の衝撃の状況と欧米に引き起こしたイノベーションの事例をお二人のドナーに話して頂きながら多くの画像を見て頂き、皆さまに新しい美術の知見を得て頂こうとする試みを致しました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
森 耕治 氏 (ベルギー王立美術館 公認解説員)
【プロフィール】
京都出身。美術史家。
マグリット美術館が併設されているベルギー王立美術館の公認解説者。
ソルボンヌ、ルーヴル学院、パリ骨董学校等に学ぶ。
ベルギー、ポール・デルボー美術館の公認解説者。
【著書】
ベルギー王立美術館公式日本語解説書『ベルギー王立美術館 古典美術館名作ガイド 2013』≪インスピレーション出版≫
『マグリット 光と闇に隠された素顔』≪マール社≫
『ゴッホ、最後の71日間』≪電子出版≫
『巨匠の名画に隠された暗号』≪私費出版≫
『フェルメール、無言の叫び』≪私費出版≫
『ルーヴル美術館名作集』≪キンドル電子書籍≫
『ルーヴル・ロンス美術館名作集』≪キンドル電子書籍≫
『ベルギー王立美術館近代部門名作集』≪キンドル電子書籍≫
岩佐 倫太郎 氏 (美術評論家)
【プロフィール】
大阪出身 美術評論家
京都大学文学部(フランス文学専攻)卒業後、広告代理店でCM制作、イベント、博物館・博覧会のプラン・プロデュースに従事。
ジャパンエキスポ大賞優秀賞他受賞歴多数。独立してマーケティング・コンサルタントの会社を経営しながら、美術批評を開始する。
「地球をセーリング」(加山雄三)他作詞、美術と建築のメルマガ「岩佐倫太郎ニューズレター」を累計150号あまりを発行。
絵の独自の見方と表現に多くのファンを持つ。
雑誌などへの執筆や講演を各地で行うほか、ビジネス・パーソンに美術や陶磁の見方を伝えるイベントなどをプロデュースしている。
【著書】
『東京の名画散歩 ~絵の見方・美術館の巡り方~』≪舵社出版≫
ナレッジドナーインタビュー
- 木曜サロンに参加した感想は?
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森氏:
普段は受付なども自分でやっていますが、こんな素晴らしい会場でお話しさせていただき、ありがたいです。 皆さんに聞いていただいて、大変光栄です。
岩佐氏:
ビジネスパーソンが多いナレッジサロンで「ジャポニスム」という流れの最初のようなところをテーマにすることで、森さんと意見が一致しました。 そこから入ると、いっぺんに視界が広がり、教養としてすごくいいですしね。自分のコモンセンスを得たうえで、浮世絵なり、印象派なり、好みの分野を見つけて、掘り下げればいいと思います。 森さんは海外に50年住んでおられて、オランダ語もフランス語もできるので、造詣が深くて含蓄がありますね。 - 今後サロンに期待することは?
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森氏:
私もベルギーから電波を送ります。「出る杭は打たれる」と言いますが、出過ぎた杭は放っておかれるのだそうです。 最近みなさん、ヘタに叩くとまずいなと黙っていらっしゃいますね。 出過ぎた杭が電波を送って、みなさんにご迷惑をかけそうですが。(笑)
岩佐氏:
ナレッジサロンに来て、色々な人と友達になって、その友達がまだ外に出していない新しい情報を交換し合って刺激する。 これが「創発」の本当の意味だと考えています。 取りに行って得られる情報は古いし、クリエーションでもビジネス上でも、何の役にも立たないですから。 自分自身もサロン会員ですが、僕の希望としては、ここは「創発」を促す場所。 今日のような講演もいいですが、人と人が交流して、次の段階は1対Nではなく、N対Nという構造を作っていき、本当の知的創造の場所になってくれれば一番いいと思います。そういうことのお手伝いなら、僕も出てきてやりたいなと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。