サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
心の哲学、唯識とは何か ~ 知る人ぞ知る仏教の大哲学…なのにあまり知られていない (T_T) ~

開催日: 2016年9月22日

○活動の主旨、目的○

心を解きあかす唯識という考え方(哲学)が1300年前から日本にあり学ばれていました。
教養のひとつとして、普段なかなか触れることのない仏教哲学についてお話し頂きました。

○唯識の重要性

三蔵法師がインドに行ったほんとうの目的は唯識の哲学書を持って帰ってくることにあったのです。興福寺・薬師寺・法隆寺などの教えが唯識。
コンピューターでたとえれば、真言宗や浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗といった宗派がワードやエクセル、一太郎というソフトにあたるとすれば、唯識はそれらを支えているウインドウズOS、あるいはプログラム言語にあたります。ですから唯識がないと大乗仏教は動きませんし、説明できません。唯識は空とともに大乗仏教を支える二大哲学。ほんとうは唯識か倶舍を知らないと仏教を正確には理解できないのです。
このため江戸時代の学僧は宗派を越えてみな唯識か倶舍を学びました。
日本人の精神は仏教の考え方の影響を受けていることが少なくないということや、私たちが日頃、心について知りたいと思っていることを唯識は教えてくれます。こういった唯識についてご紹介して頂きました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

城福 雅伸 氏 (岐阜聖徳学園大学 経済情報学部教授 学部長)

大阪市出身。金蘭千里高校卒業。龍谷大学大学院博士課程仏教学専攻単位取得満期退学。龍谷大学非常勤講師、京都精華大学非常勤講師、岐阜聖徳学園大学講師、准教授などを経て現職。専門は唯識でその数少ない専門家。
仏教の研究者ですが寺院出身ではありませんし僧侶でもありません。祖母は内村鑑三にキリスト教を学んだ人でしたので、キリスト教の話も聞くという環境で育ちました。
中学生の頃から哲学、思想に興味を持ち、もっとも深い哲学は仏教ではないかと考え、大学では仏教を専攻しました。

著書『明解仏教入門』、『現代語訳 講義 成唯識論』巻第4、同第5、同第6。

ナレッジドナーインタビュー

  • 木曜サロンに参加した感想は?
  • いつも学生から早口だと言われ、句読点をつけた話し方をしてくれと言われるんですが、今日もできませんでしたね。最後の方はダーッと走って、何とかほぼ全部入ったという感じですね。唯識を1時間20分でというのは難しいかったかなと思っています。
  • 今後サロンに期待することは?
  • ナレッジサロンは全体で交流する場所だと聞いていますので、大阪だけではなく、我々は岐阜ですが、他の所でも交流がもっとできたら良いと思います。また、交流の場と聞きましたので、例えば静かにパソコンを使ってお仕事されている方がいらっしゃいますが、「今は話しかけてもらってもいいですよ」とか、「自分はこういう人と交流したいです」といった表示があると良いと思います。
    私たちは仏教が専門ですので、例えばイスラム教専門の方がいらっしゃったら、そういう表示があると質問しやすいと思いますし、してみたいと思います。
    今のままですと、交流しようとしても、どこにどんな人がいらっしゃるのかわからないので。そういった表示などを机の横にでも下げておくと、本当の交流に繋がると思います。自分の領域だけでは狭いので、コンピューター関連の方や弁護士の方などに気軽に質問できればと思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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