サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 地図にないまち 釜ヶ崎 ~問いを生み出すココルームの役割~
開催日: 2016年12月15日
○活動の主旨、目的○
消えゆくまち“釜ヶ崎”にあるココルームを舞台に、そこに住む人々の声なき声に耳を傾け、社会に“問い”を発信し続ける上田氏に、ココルームや釜ヶ崎芸術大学での取り組みと、釜ヶ崎に力強く生きる人々の姿とその魅力について伺いました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
上田 假奈代 氏 (NPO法人こえとことばとこころの部屋 ココルーム 代表)
奈良県吉野郡生まれ。3歳のころから母親とともに詩作を始める。
高校在学時、NHK教育の『YOU』にレギュラー出演し、写真家橋口譲二の写真集『十七歳の地図』に掲載された。
1988年 京都芸術短期大学ビジュアルデザイン科入学。
大学卒業後、コピーライターを務めながら1992年から詩作のワークショップを手がけ、2001年には「詩のボクシング」全国大会大阪代表となった。
2002年 「詩業家宣言」を行って本格的な活動を開始。
2003年 NPO法人「こえとことばとこころの部屋」(ココルーム)を設立。
2008年 大阪市西成区釜ヶ崎で喫茶店形態のインフォショップカフェ・ココルームを開設
2012年~ 様々な講座やワークショップの総称「釜ヶ崎芸術大学」を開校。
森村泰昌(芸術家)、茂山童司(狂言師)など各界から講師を招いた。
詩人の谷川俊太郎なども「釜ヶ崎芸術大学」に詩を寄せている。
2014年 ヨコハマトリエンナーレ2014に「釜ヶ崎芸術大学」として参加。以降、台湾やアーツ前橋などの展覧会に招聘される。
2016年 動物園前商店街のなかで拠点を移し「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」開設。
http://cocoroom.org/
【受賞】
第65回文化庁芸術選奨芸術振興部門新人賞受賞
第5回朝日21関西スクエア賞受賞
【著書】
『こころのたねとして-記憶と社会をつなぐアートプロジェクト』≪ココルーム文庫≫
『釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム』≪フィルムアート社≫
ナレッジドナーインタビュー
- 木曜サロンに参加した感想は?
- グランフロント大阪のナレッジキャピタルは、釜ヶ崎から見ると、物理的には近いけれど、感覚的には遠い場所です。こうした場所でこのようなお話をさせてもらえて、そして関心を持って来てくださった方がいたということがとても嬉しいです。 しかし、この二つの場所を行き来するのは、少々しんどい部分もあります。なぜなら、こちらの空気に慣れてしまうと、釜ヶ崎に戻った時にギャップを感じますから。それでも、行き来することはとても大事なことですので、もし今日お話を聞いて関心を持ってくださった方がおられたら、何かのついでの時にでも釜ヶ崎に来ていただければと思います。
- 今後サロンに期待することは?
- 一見お洒落で最先端の雰囲気ですが、スタッフの方の肌感覚が大阪ならではで、いいなと思いました。サロンに多様な人たちが集い、尚かつ信じられないような業種のネットワークが生まれれば良い思います。例えば、私が取り組んでいる「貧困」やその「排除」といった課題が、先端の様々な取り組みをされている方々と交わり、広がっていけば面白いのではないでしょうか。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。