サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 元・自動車エンジニアが考える明日の天気予報~もやもや国家資格の起死回生策~
開催日: 2017年1月26日
○活動の主旨、目的○
気象予報業務の民間開放と共に発足した気象予報士資格。
知名度が高く華やかなイメージで見られますが、20年以上を経てビジネス開発がさっぱりというのが業界の本音です。人工衛星やアメダス、気象庁組織のヒトとインフラで無償提供される国の天気予報を相手に、気象予報士個人はとても太刀打ちできません。
一方、この高速大容量通信時代の到来により、ビッグデータを利用して自前の観測も分析も必要としない気象予測が可能になりつつあります。大手自動車メーカーで17年以上にわたって製品開発・市場調査・設備計画・技術戦略に携わったナレッジドナーの一般社団法人日本気象予報士会における業界改革の取組と、大阪大学のレーダーやスーパーコンピュータ「京」など関西発の最新鋭技術による3次元ビュー雨雲予測配信の社会実験について御紹介いただきました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
難波 良彰 氏 / 一般社団法人日本気象予報士会 近畿ブロック理事
北野高校・大阪府立大学卒業後、日産自動車のエンジニアとなる。車輌の空調実験部署で、沖縄の炎天や北海道の極寒を経験した後、部品メーカー出向中に、市場調査と品質管理のため北米全土を網羅。
カルロス・ゴーン就任に始まった日産リバイバルプランのため日産自動車に帰任し、製品コスト削減・全天候再現装置の導入・技術戦略の企画立案に携わった。
2009年に家族事情により帰阪、独学5回目で気象予報士資格を取得し日本気象予報士会の法人化タスクに参加し、その流れで(一社)日本気象予報士会 近畿ブロック理事に就任する。
2011年、(公社)日本気象学会 関西支部 常任理事にも就任。
大阪管区気象台連携の防災知識普及活動や、近畿7高専における気象防災対応時代の技術者教育にも継続して取り組んでいる。自動車業界への興味は断ち切れておらず、現・大阪府立大学21世紀科学研究機構 次世代電動車両コンソーシアム会計監事。
ナレッジドナーインタビュー
- 木曜サロンに参加した感想は?
- 人前で話す機会は割と多いですが、これほど参加者の方々がストライクゾーンであることはあまりありません。普段は気象予報士として一般の方に天気の話をしますが、今日は業界の辛さであるとか、解決策についての話ができたという点で、今までにはなかったチャンスをいただきました。正に、このような情報発信がしたくてサロン会員になりましたので、目的が果たせて良かったです。またこのような機会をいただければと思います。
- 今後サロンに期待することは?
- できればサロンで、今日お話ししたような天気のアプリなどを試したいと思います。ユーザーとしての感想やビジネスのネタとしてのフィードバックをいただく場としては、こんなに良い場所は他にないと思います。ビジネス感度の高い人が何を思うか、どんなアイデアをくれるのか等を純粋に試すためにナレッジサロンを社会実験の場とする際、どのような条件が必要かを明確にしてほしいですね。試してみたい知財案件等がどんどん投入されて、そこから新技術が世の中に広まって、ふと気が付くと、ナレッジサロンが発祥の地だった、というようになれば面白いと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。