サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ハリウッドとトランプ政権 -米中間選挙とその行方-
開催日: 2018年11月29日
○活動の主旨、目的○
20世紀初頭にユダヤ系移民が中心になって興したハリウッドの映画産業は米国経済を支え、長年アメリカンドリームの象徴となってきました。
しかし同時に、「覇権国家アメリカの民主主義や価値観を世界に押しつける装置」としても機能してきました。
そんなハリウッドを中心としたアメリカ映画産業の歴史と現状についてお伺いするとともに、2016年米大統領選前から「ハリウッドvs.トランプ」の構図が続く中、11月6日の米中間選挙に向けて広がりを見せていたアメリカ映画界の動きやインタビューなどを通じて、巨大産業が持つ影響力と、トランプ政権との関係の行方についてたっぷりとお話しいただきました!
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
藤 えりか 氏 / 朝日新聞記者(be編集部 兼 GLOBE編集部)、前ロサンゼルス支局長
【プロフィール】
1993年朝日新聞入社、経済部や国際報道部、ロサンゼルス支局長などを経てbe編集部兼GLOBE編集部。
世界の映画人へのインタビューを通して世界情勢に斬り込む「シネマニア・リポート」を朝日新聞ウェブ版「GLOBE+」に連載。
読者と語る「シネマニア・サロン」を主宰。テレビ朝日系「サンデーLIVE!!」にコメンテーターとして随時出演。
ナレッジドナーインタビュー
- 時代や社会情勢によって、製作できないテーマの映画はあるのでしょうか?
- ケースバイケースですね。例えば、『ブラックパンサー』は、90年代から映画製作の話が出ていましたが、何度も監督が変わったり、話が二転三転したりで、今年やっと公開されました。「もっと早く作っていたら、アフリカ系の人たちの喜びはさらに大きかったのではないか?」との質問に対して、製作総指揮のネイト・ムーアが「もっと早かったら、受け入れられていたかどうかわからない。観客は時代によって違うから」と仰っていたのが示唆的です。何度も議論を重ねた結果の製作タイミングだと思います。ポジティブ、ネガティブ両方の意味で、時代が後押しするという側面はあるかもしれません。観客が今求めているという波がきたら、そこでゴーサインが出ることはあります。
- アメリカの国政にハリウッドが介入しようとしている現状について、どのようにお考えですか?
- トランプ政権については、言わざるを得ないのだと思います。逆に今までは、反政府的な言動は嫌われるということもあり、ハリウッドはそれぞれの時代の政権とうまくやってきました。それが今は、ハリウッド自体が攻撃されて脅かされ、大統領が業界を潰しにきているという状況になっているため、ハリウッドも反論せざるを得なくなったのです。映画を通してメッセージを発信し、反論するのが筋だと思いますが、映画を見る人も減っていますので、SNS上での言い争いになってしまっており、難しい状況だと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。