サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 言語を徹底解剖する -ことばの成り立ちとその応用-
開催日: 2019年1月24日
○活動の主旨、目的○
あまりにも身近で空気のような存在の言語。
その言語はいったい、どのような要素から成り立っていて、私達の頭の中でどのようなプロセスを経て、産み出されるのでしょうか?
外国語学習で単語を覚え文法を学習するのはなぜ?
手話が「言語」だというのはどういう意味?
そして、世界の言語にみられる共通点とは?
普段何気なく使っている「ことば」と向き合える1時間でした。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
菊澤 律子 氏
国立民族学博物館 人類基礎理論研究部・准教授
【プロフィール】
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(言語学)、ハワイ大学大学院言語学部Ph.D.取得(Linguistics)。
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所を経て、2005年より国立民族学博物館(民博)勤務。
専門は言語学(オーストロネシア語族を対象にした記述・歴史言語学、オセアニアの先史研究、地理情報システムの歴史言語学への応用)。
2011年より民博において手話言語学の研究推進事業に携わる。
ナレッジドナーインタビュー
- 言語学に興味を持たれたきっかけは何でしょうか?
- もともと言葉が好きでしたが、大学に入るまでは「言語学」という学問があることも知りませんでした。大学1年生の時に、アメリカインディアンのネズパース語を研究されている青木晴夫さん著の『滅びゆくことばを追って―インディアン文化への挽歌』という本をたまたま図書館で借りました。講演でもお話しした通り、現地の人々と一緒に生活をし、その言語を記述するというフィールドワークでのエピソードがたくさん書かれています。それを読んで、私もこういう仕事がしたいと思うようになりました。何年か前に青木晴夫さんに初めてお会いする機会があり、とても感動しました。
- 言語学の面白さや魅力は何だと思われますか?
- 言語学は、論理的な分析と人間の持っているファジーさの間を行き来する学問だと思います。論理的分析の部分だけでもパズルを解くようで面白いですし、それが実際の人間とどう関わっているのかを見ていくと、理屈だけには収まらない面白さがあり、やはり「人間が使っているものなのだ」と実感します。人間は色々な意味で動く生き物で、一貫していませんので、やはり言語もそうなるのだなと。理論と曖昧さの間を行き来できるのが、言語学の面白いところだと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。