サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- とんでもなく面白い、爆発する宇宙 -太陽、宇宙、そしてその先へ-
開催日: 2019年4月4日
○活動の主旨、目的○
皆さんは「フレア」という単語を見聞きしたことはありますか?
太陽と宇宙の活動で特に激しい「爆発現象」は、「フレア」と呼ばれています。
太陽フレア研究の世界的権威で宇宙物理学者の柴田氏は、電磁流体力学によって宇宙の爆発現象を統一的に解明する研究を進める中で、太陽型星の「スーパーフレア」というテーマにたどり着き、そこには、人類の進化のヒントが秘められているといいます。
当日は、研究の面白さ、そして英国ケンブリッジ大学とスタートしたばかりの共同研究をはじめ、宇宙への移住計画が現実的となった私たち人類が生き延びるための研究の最前線を、美しい映像資料に、音楽を融合した作品を交えてお話しいただきました。
普段は眼にすることのない「太陽」の姿、そこから見えてくる私たちの未来について、一緒に想いを馳せてみました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
柴田 一成 氏
日本天文学会会長
宇宙物理学者・理学博士。1954年生まれ、 大阪府出身。日本天文学会会長。
2004年より3月31日現在まで、京都大学大学院理学研究科附属天文台台長および、京都大学宇宙総合学研究ユニット副ユニット長を兼任。
太陽および宇宙における激しい活動現象、とくにフレア(爆発)や宇宙ジェットを研究。
ナレッジドナーインタビュー
- 京都大学岡山天文台「せいめい望遠鏡」を使って今後、何を解明していきたいと考えていらっしゃいますか?
- 「せいめい望遠鏡」は、京都大学理学研究科附属天文台と宇宙物理学教室が岡山県南西部に開発・建設し、昨年8月に完成したアジア最大級の望遠鏡です。今後の研究課題は三つあります。一つ目は、私や京都大学が一番深く関係しているテーマ「スーパーフレア」です。二つ目は「ガンマ線爆発」。これは、ブラックホールができる瞬間の爆発の可能性があり、それを解明できればノーベル賞の受賞も夢ではありません。三つ目が「太陽系外惑星」で、地球外生命体発見の可能性が期待されます。「せいめい望遠鏡」の名前の由来は、岡山で天体観測をしたと伝えられている平安時代の陰陽師・天文博士「安倍晴明(せいめい)」ともう一つ、太陽系外惑星の発見は「未知の生命(せいめい)」の発見にも繋がるという意味が込められています。
- 太陽フレアの影響で交通事故が増えるというお話がありましたが、太陽フレアが我々の生活に与える影響についての研究は進んでいるのですか?
- 地球に電磁波が到達する「太陽フレア」の研究は少しずつ進んでおり、人間の脳が磁気を感知しているということが分かってきました。普通の状態では人は磁気に全く気が付きませんが、時折「第六感」で磁気を感じているということが証明されました。また、テクノロジーの発展によって非常に微弱な磁場を測る機器が開発され、指先や脳の磁場を計測できるようになり、人間の身体が磁気を発していることが分かるようになりました。昔の人が「気」と呼んでいたものは磁気なのではないかと考えられ始めています。太陽フレアの影響は決して悪いものばかりではないのです。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。