サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 「第6回ナレッジイノベーションアワード受賞者シリーズ第1弾」Safety City(BIM・衛星データ・ドローンによる新たな防災システム) プロジェクト -その1分1秒が、貴方の大切な人の命を救う-
開催日: 2019年6月13日
○活動の主旨、目的○
地震大国である日本では、建築における一時災害防止の技術は進んでいますが、地震直後の状況把握の遅れに起因する二次災害への手立てが喫緊の課題です。
加えて、現在の被害状況の把握は、調査員や応急危険度判定士などの人手によって行われていますが、頻度や規模拡大により人員不足も顕在化しています。
人員確保の上でも、さまざまなテクノロジーを活用することが急務であると渡辺氏はいいます。
このような状況を打破すべく、建築ツールである「BIM(Building Information Modeling)」をプラットフォームとして、ドローンやビル屋上の監視カメラ、衛星などのデータと接続し、新たな「Safety City」システムを構築中です。
皆さんもサロン発の次世代型防災システム開発プロジェクトにぜひご参画ください!
※BIM(Building Information Modeling)とは、設計のCADが進化した様な物で、3次元で視覚化・計測が出来、流体などを含む解析にも応用されるもの。もちろん図面を排出する事も可能なソフトウエアーになります。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
渡辺 一郎 氏
株式会社VoL-I Architect Studio 代表取締役社長
1980年、安井建築設計事務所の設計部に入社(多摩美術大学・建築学科卒)。
2014年9月に独立し「VoL-I Architect Studio」を設立、昨年秋に法人化を果たす。
国内外の複合施設等のデザイン設計・防災計画(避難安全検証法等)を得意分野とし、20年程前より3D設計手法を確立。後にBIMと出会い現在の3次元設計手法の先駆者の一人となる。
ナレッジサロンでは建築設計業務をこなす傍ら「びむ研」を主宰。
ナレッジドナーインタビュー
- 地震に対する建築の安全性は、新たな技術が進化していると聞きます。既に安全安心が確保できつつあると思いますが、更なる安全が必要ですか?
- 新築に於ける建物の安全性は高くなって来てますが、地震の性質が変化し厳しくなっている中で、新たな技術が開発され続けてます。また、未だに旧基準による古い建物が多く残っている現状として、全ての建物を新技術で建て替える事は不可能です。今回は、手付かずの領域である「2次災害に於ける生命の安全性向上」について言及してみました。
- 2次災害への対応について、現代の問題点を簡単に云うと、どういう点になりますか?
-
今迄は、震災後に応急危険度判定士を集めて1件ずつ調査をし、判定してました。
また現代は、昔に比べて地震の規模も頻度も拡大してきており、熊本大震災などでは被害件数が数十万件にのぼると云われてます。これでは調査を短時間に完了させるのは不可能で、続く大きな余震や大雨等が来た場合に間に合いません。
また違う問題で、熊本地震では、家宅侵入罪を避けるため被災者からの依頼が無ければ調査すら行われなかったと云う問題も残ってます。
今回の提案は、これら想定される問題を全て改善させられるものと信じてます。 - 今日は有難う御座いました。最後に、震災への対応として、私たちはどのように自分の命を守れば良いでしょうか?
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まず、震災後は周りの情報を集めて素早い判断が必要です。家や財産よりも、まずは自分や家族の人命を第一に考えて頂きたいと思います。
余談ですが、家を地面から切り離して水陸両用車の家があれば安全かも知れませんね。地震や津波にも対応出来ます。しかし、これは「資産としての土地」という概念がなくならない限り在り得ない話です。
本日は有難う御座いました。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。