サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 「第6回ナレッジイノベーションアワード受賞者シリーズ第3弾」
日本文化と先端テクノロジーのコラボ! VR書道パフォーマンス『浮遊書』はどのようにして生まれたのか
開催日: 2019年7月4日
○活動の主旨、目的○
書道家・藤田玉蘭氏と、VR コンテンツ制作の株式会社ズームス・保田充彦氏の異色コラボレーションから生まれたデジタル・パフォーミングアート、「VR 書道パフォーマンス 浮遊書(ふゆうしょ)」。
玉蘭氏の直筆の書をデジタル化し、バーチャルな3次元空間の中で、立体的な書を描いていく「浮遊書」は、日本の伝統文化「書道」と先端テクノロジー「VR(バーチャル・リアリティ)」を融合した、あたらしい可能性を模索する取り組みです。
玉蘭氏と保田氏は、約1年前にナレッジサロンの活動の中で出会い、このプロジェクトに取り組んでこられました。その経緯や苦労についてもお話しいただきました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
藤田 玉蘭 氏
筆ピュアギフト代表 書道家
京都に本部を置く水明書道会に所属。師範、評議員。
ロゴ、パッケージデザイン、年賀状などの制作に加え、日本、海外での書道パフォーマンス活動を実施。
書道教室では幅広い年齢層の方を対象に「楽しく、愉快に」現在5教室開校中。
保田 充彦 氏
株式会社XOOMS(ズームス)代表、一般社団法人ナレッジキャピタル・リサーチャー
航空宇宙分野のエンジニアを経て、現在はサイエンス映像の制作、データの可視化、VR/MRコンテンツ開発などに取り組んでいる。座右の銘は「人生はすべて実験である」。
ナレッジドナーインタビュー
- 「浮遊書」は、どのように発想し、どのような想いで実現に至ったのでしょうか?
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保田氏:「バンコクデザインウィーク」で藤田さんの書を見た後、移動中のバスの中で瞬間的に閃きました。VRのお絵かきアプリというものがあるのですが、その技術をベースにして作りました。単なる線のお絵かきでは面白くないので、「書」という文化的で伝統的なものと最新技術を組み合わせてみようと思いました。
藤田氏:日本では「書」は一般的で身近にあるもので、書道家もたくさんいます。普段は展覧会の開催やロゴを書くなどの活動を行なっています。しかし、私の中に「新しいことがしたい」という想いが常にありました。「今までに無いものを作りたい」とずっと思っていましたので、このお話をいただいてとても嬉しかったです。できるかどうかや、これが仕事に繋がるのかどうかは分かりませんでしたが、「面白そうだ」という直感を優先して引き受けました。実現しないプロジェクトも多い中、実際に形となって良かったと思います。 - 今後、「浮遊書」をどのように展開されるのでしょうか?
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保田氏:やはりVRの場合は体験してみないと分からないので、そこをどう乗り越えるかですね。二次元で見ているだけでは、観客にはそれほど臨場感が伝わらないということが、実際にやってみて初めて分かりました。見る人をどう引き込むかが今後の課題です。そして、もっとバーチャルとリアルを融合させたいと考えています。バーチャルばかりだと面白くないので、できるだけリアルに近づけていきたいと思っています。
藤田氏:パフォーマンスの観点から言うと、観客に「やってみたい」と思わせるより、見て感動するものを作りたいと考えています。そのためには、演出がより重要になってきます。魅せ方について研究したり、創意工夫をしたり、自分で今できることから取り組んでいきたいと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。