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テーマ:
カマキリの研究をしていたはずが、いつのまにか琥珀の昆虫化石の道へ

開催日: 2019年11月14日

○活動の主旨、目的○
2006年に岩手県久慈市の白亜紀後期約8600万年前の地層から見つかった琥珀の昆虫化石は、長らく日本で唯一のカマキリ化石だと考えられていました。

今回、改めて詳細に調査・研究した結果、捕獲脚を持つアミメカゲロウ目トガマムシ科の新属新種の昆虫であることが判明しました。
トガマムシ科の現生種はサハラ砂漠以南のアフリカ大陸に13種が分布しているだけの小さい分類群ですが、絶滅種は中生代白亜紀から新生代第三紀の世界各地の琥珀から17種が記載されています。

本講演では、Kujiberotha teruyukii記載の裏側とトガマムシ科昆虫の中生代における多様性について、また、近年著しい研究成果が出ている白亜紀後期のミャンマー産琥珀の昆虫化石のトピックについてお話いただきました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

中峰 空 氏
箕面公園昆虫館 館長

奈良県吉野郡出身。神戸大学自然科学研究科単位取得退学。博士(農学)。
2003年-2017年まで兵庫県三田市有馬富士自然学習センターに勤務。
在籍時に野外活動を中心とした環境教育の実践とプログラム設計、市の生涯学習の推進に加えて、ボランティアの養成・指導に携わった。
2017年4月に箕面公園昆虫館館長に就任。
「見たこと、体験したことを誰かに話したくなる昆虫館」という理念を掲げ、面白い展示と昆虫館の運営を目指している。
昆虫分類学(カマキリ、琥珀化石)が専門。

ナレッジドナーインタビュー

  • ミャンマー産の化石を「趣味で収集している」とお話しされていましたが、どのような経緯で始められたのでしょうか?
  • 岩手県久慈市で発見された琥珀化石がアミメカゲロウ目トガマムシ科の新属新種の昆虫化石であることが判明し、新種として記載したことがきっかけで、同じグループの昆虫化石を趣味で集めてみようと思い立ちました。インターネットで検索すると、昆虫化石を販売している業者が簡単に見つかり、すぐに購入しました。入手したものが新種だと分かり、さらに探していくと、今まで見たことがない昆虫がたくさん見つかりました。
    昆虫分類の分野は、論文を十数本読めば網羅できてしまうほど先行研究の規模が小さく、全体像が比較的容易に把握できるので、成果を出しやすいと言えるかもしれませんね。
  • 新種として登録された昆虫の化石は博物館に収蔵されるということですが、どのような基準があるのでしょうか?
  • 新種のタイプ標本になると、誰もがアクセスできる場所に置いておかなければなりませんので、しかるべき保管機能を持っている施設に収蔵されます。私が登録したものは、現在ニューヨークのアメリカ自然史博物館に収蔵されています。せっかく購入した化石を手放すことになりますが、その代わりに論文と後世に残るものが手に入ります。標本自体は、地球上のどこかにあれば見に行くことができますからね。手元に置いて眺めるより、学術的に貢献できることの方が重要だと考えています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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