サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
関西寿司って知っていますか? -大阪食文化を再考し世界に発信-

開催日: 2020年2月6日

○活動の主旨、目的○
今、世界に広がる「握り寿司」。 株式会社Mizkanは、江戸時代後期に誕生した、握り寿司のすし飯に合う粕酢を開発し、現在のミツカンの礎を築いてきました。握り寿司が誕生するまでは、関西には箱寿司などバライティーに富んだお寿司が存在し、人気を博していました。 しかし、今では関西でも握り寿司が主流となっています。 木曜サロンでは、関西寿司の魅力や奥深さを知っていただき、大阪万博に向け、世界に関西寿司を発信していく基盤づくりについて、大阪ガス池永氏を交えてお話いただきました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

赤野 裕文 氏
株式会社Mizkan 商品企画部 食酢エキスパート

山口県出身。広島大学工学部醗酵工学科卒業。
1979年、株式会社中埜酢店(=ミツカングループの以前の社名)に入社し、食酢の基礎研究やマーケティング、商品開発など食酢に関わるさまざまな分野を担当。
2016年に株式会社Mizkanを定年退職し、現在は食酢エキスパート社員として食酢の啓蒙活動を行っている。

池永 寛明 氏
大阪ガス株式会社 エネルギー・文化研究所(CEL)顧問

1982年大阪ガス入社後、天然ガス転換部にて人事勤労、エネルギー事業部にて企画・計画を担務したあと、日本ガス協会企画部長に出向。
帰社後、エネルギー営業部長、近畿圏部長を経て、エネルギー・文化研究所所長となり、2019年より現職。
中長期の視座に社会構造を編集し、これからの社会・産業のあり方を研究。
都市・地域のルネッセ(再起動)、都市・地域文化、エネルギー・レジリエンス、地域経済・産業、マーケティングなど研究・発信活動をおこなっている。

ナレッジドナーインタビュー

  • 味付けは一般的に「関西は薄く、関東は濃い」と言われますが、お寿司についてはいかがでしょうか?
  • 赤野氏:関西の押し寿司は保存性が高く、時間が経っても美味しくいただけます。そのためには、すし飯を「ならす」ことがとても大事で、ならす時にお酢だけでは味がまとまらないため、砂糖など他の調味料を加えてしっかり味を付けるようになったのだと思います。一方、江戸の握り寿司は即食性が特色です。握り寿司の場合はタネを美味しく食べるためのすし飯と言えるため、すし飯の味が強いとタネとのバランスが崩れてしまいますので、あっさりした味付けになっています。寿司に関しては関西と関東でこのような違いがあります。
  • 2025年の大阪・関西万博では「リアル」が大事だとのお話がありましたが、大阪の食文化が注目されるにはどのようにすれば良いとお考えですか?
  • 赤野氏:私は「食のないイベントなんて全然楽しくない」と考えています。たとえロボットや先端技術が主流の時代になっても、そこには必ず「食」が存在するはずです。現在の食とは異なるかもしれませんが、本質は変わらないと思います。万博のための食ではなく、現在の食を大切にしながら、その時代に沿って進化させていけば、自ずと食に関心を持っていただけるのではないでしょうか。

    池永氏:先程のお話の中で寿司の原点は東南アジアにあり、シルクロードを渡ってきたであろうということでしたが、このように多くの変遷を経ており、これからはAIも含めたさまざまな形で食を表現できるようになると思います。食をリアルとバーチャルの違う角度から見ていくことも必要です。また、ミラノ万博では日本館の食が最も人気を集め、おにぎりの店が大繁盛しました。大阪・関西万博では、万博会場だけでなく関西全体のレストランや料理屋も含めた広い意味で「食を以ってもてなす」ことができれば良いと思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

開催済みのプログラム

サロンイベントレポート一覧へ戻る

PAGE TOP