サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- スポーツ事業における顧客創造の意義 -なぜ吹田スタジアムを設立したのか-
開催日: 2020年2月20日
○活動の主旨、目的○
ワールドカップで一気に注目度を高めたラグビーやバレーボールなど、国内スポーツのプロリーグ化が進められようとしています。
そもそもプロリーグ化することでスポーツをどのように発展させていくのか、スポーツの中で最も市場規模の大きなサッカーがなぜこれほどまでに成功を収めているのか、またプロリーグ化に向けた障壁やその後の課題などを含め、プロスポーツ事業のマネジメントについて金森氏にお話を伺いました。
金森氏が松下電器産業での経験を活かし「顧客の創造」をモットーに、いかにガンバ大阪の経営を成功させたかについて、また全額募金によってサッカー専用の吹田スタジアムを建設した理由とその舞台裏についてもお話いただきました。
これまでのスポーツの歴史的な流れと移り変わる社会背景を視野に入れつつ、顧客創造の視点で切り込むことで、オリンピック・パラリンピックを目前に転換期を迎える日本のスポーツ産業のあるべき未来が見えてきます。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
金森 喜久男 氏
元ガンバ大阪社長・元スタジアム建設募金団体代表理事
一般社団法人 情報セキュリティ関西研究所 代表理事
追手門学院大学(ベンチャービジネス研究所・スポーツ研究センター)顧問
パナソニック株式会社 客員
松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社後、北陸支店長、松下電送システム株式会社常務取締役、松下電器産業パナソニックシステムソリューションズ社常務取締役を歴任。
松下電器産業情報セキュリティ本部長として全世界の松下グループ情報資産統括職も務めた。
2008年にガンバ大阪の代表取締役社長に就任。
吹田スタジアム設立に向け、スタジアム建設募金団体の代表理事を務め完成後吹田市に寄付。
アジアサッカー連盟プロクラブ委員会の委員及び委員長としてアジアサッカーの発展に貢献。
ナレッジドナーインタビュー
- 吹田スタジアムの具体的な成果について教えてください。
- ガンバ大阪のホームスタジアム「吹田スタジアム」は2015年9月に竣工し、約4年半が経ちました。まず成果の一番はお客様に喜んでいただいていること、ガンバ大阪としては収入面が大きく改善され、入場料収入だけで24億円に達しています。浦和レッズが本拠地とする、国内最大のサッカー専用競技場「埼玉スタジアム」と比べると、まだ肩を並べるには至っていませんが、30億円程の同スタジアムの収入との差は縮まってきています。埼玉スタジアムの収容人数が6万人、吹田スタジアムが4万人ということを考えると、比率的には上回っていると言えるかもしれません。また、ガンバ大阪の試合の観客数も増え、2019年のJリーグの観客動員数ではガンバ大阪は浦和レッズ、FC東京に次いで3位でした。
- 吹田スタジアムの今後の展望についてお聞かせください。
- 吹田スタジアムは、歴史を刻む毎に地元大阪の方々にとっての「聖地」になっていくと思います。野球で言うところの甲子園球場のような存在です。最近では結婚式や株主総会などでスタジアムの付帯施設を利用される方が増えてきており、地域での認知度が高まってきていると感じます。しかし、スタジアム自体はあくまでもスポーツをする場所として位置付けていますので、コンサートなどの開催には私は否定的なのですが!やはり吹田スタジアムは「スポーツの聖地」として地元に根付いてほしいと願っています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。