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木曜サロンレポート

テーマ:
経済学×実験×脳科学 -行動のメカニズムを読み解く!-

開催日: 2020年7月23日

○活動の主旨、目的○
経済理論と統計分析、そして脳科学(神経科学)という多岐にわたる学術研究に取り組む山田氏。
専門分野であった経済理論において、前提となる条件の不確かさへの関心から実験や脳科学のアプローチを重ね合わせ、人が行動をおこすメカニズムの秘密を追ってこられました。
いかに人間の行動を読み解き、そしてどうすればその行動が変容するかについての事例を交えてご紹介いただきました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

山田 克宣 氏
近畿大学経済学部 准教授

自分の行動を決める時に他人のことを気にしてしまう、という心理効果を主な研究テーマとし、実験・行動経済学、fMRIを用いた計算論的神経科学の研究を行う。2016年日米先端科学シンポジウムのSocial Scienceセッションで日本代表として研究成果を発表。
実験データ、労務データ、さらには生理データを用いた人間行動の理解と、QOLを向上させるメカニズムの解明、その他人間行動の理解一般、埋もれているデータの有効活用など、統計・計量分析のスキルを活かした学術研究を行ってきた。
京都大学博士(経済学)。大阪大学社会経済研究所講師、バルセロナ自治大学交換研究員などを経て現職。

ナレッジドナーインタビュー

  • 行動経済学の観点から、観光や航空など、新型コロナウイルスの影響で特に厳しい状況となった産業の今後はどうなるとお考えですか?
  • 行動経済学では心理効果を考えますので個々人の行動に注目しますが、観光や航空は産業ですのでもう少しマクロ的な視点が必要になります。経済学の基本的な立場からすると、特定産業を直接的な補助金でサポートするのは長期的に持続可能な策ではなく、コロナウイルスの影響を踏まえた上で需要と供給の動向を見守らなければなりません。その意味では、コロナウイルスそのものに対してきちんとした解決策を見つけなければ、観光や航空などの産業の未来は厳しいと思います。その意味ではいわゆるオールドノーマルに戻るのは無理かもしれませんが、それでも人々がかつてのように旅行できる状態にどのように戻していくか、社会インフラの整備に関して行動経済学的視点を導入することは可能です。例えば、日本では全く普及していない新型コロナウイルス接触確認アプリの普及率を上げることは大事だと思います。現在の接触確認アプリは強制力がなく、ユーザーが使用するかどうか意思表示をしなければならない「オプトイン式」であることが普及率の低さの主な原因です。予めユーザー使用が設定され、嫌なら止めることができる「オプトアウト式」にすれば、内容が全く同じでも、現在の約15%の普及率が劇的に上昇するということは行動経済学の類似の実験で実証されています。行動経済学の観点から言えば、普及率を上げるために、このようにちょっとした仕組みを作り直していくことが重要だと考えています。
  • 行動経済学者として、興味のある脳の機能やプロセスは何ですか?
  • 経済学者としては、やはり「買う」や「働く」という経済に関わる基本行動に注目します。「働くという」行動を考える際の重要なポイントは生産性ですが、生産性を上げるためのモチベーションがどのように形成されるかに大変興味があります。日本社会でよく言われる「精神論として頑張る」という行動の源が何なのかは、私の知る限り最新の脳機能の研究でも解明されていません。例えば、「スポーツ根性」という言葉があるように、アスリートは辛くて苦痛を感じていても、自分の限界まで、或いは自分の限界を超えたところまで、苦痛を快楽に変えて頑張ります。そのモチベーションが脳の中のどこから湧いてくるのかは知りたいですね。考えるべき要素が複数からみあっていて複雑で難しいですが、このような脳機能の解明は面白いと思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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