サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
人に話したくなる“ニッポンの工芸” -現場から見た最新工芸事情-

開催日: 2021年5月27日

○活動の主旨、目的○
日本工芸の伝統技術に魅せられ、外国人をターゲットに商品の企画・販売を行ってきた竹田氏。
「知識はほぼゼロ」の状態から工房取材を重ねて見えてきたという各工芸のおもしろポイント、職人に聞く業界話をはじめ、これまでどのような国の人が、どのような情報をもとに工芸品を購入しているのかといったビジネス話までお届けしました。
コロナ禍は来たる日に備えて日本を再発見するチャンスでした!
日本工芸の話から垣間見える日本文化の知識をアップデートできました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

竹田 陽平 氏
ジャパニーク代表

1979年大阪生まれ(茨木市出身)。大学在学中にドイツへの語学留学、オーストラリア・グリフィス大学への交換留学を経験。卒業後、輸入雑貨を取り扱う貿易会社、編集プロダクションを経て独立。趣味で全国を旅するうちに工芸に興味があると気づき、2016年より京都、金沢、東京を中心に職人・作家の工房を訪ねまわり、『日本工芸×ファッションアクセサリー』を海外販売する事業を開始。国内向けオンラインショップもオープン。

ナレッジドナーインタビュー

  • 海外向けに展開する商品の選び方のポイントや基準がありましたら、お教えください。
  • これまでの経験から商品選びは相手に合わせるのが良いと思うようになりました。日本人は外国の生活習慣や文化を取り込むことが上手く、非常に柔軟です。例えば、日本では和食だけでなく洋食や中華、エクニックなど、様々な料理を日常的に食べることができますが、海外ではそういう訳にはいきません。世界の多くの国々では独自の生活習慣を変えることは難しく、ファッション事情も大きく変わることはないだろうと感じます。そこで、「これはどうですか?」と尋ねるよりも、興味をもってもらったもの(サンプル)に対して「このようなこともできますよ」と提案する方が受け入れられやすいのではないかと考えています。また、アジアでは竹や漆は知られていますので、アジア向けの商品にはそうした馴染みの素材を使用するなど、その国の特色や事情に合わせて商品を選ぶことも必要だと思います。
  • ECサイトを作らず、代理店としてのビジネスモデルを選んだ理由をお聞かせください。
  • ECサイトというと注文した商品がすぐに届くと考えている方が多いですが、工芸品は製作に時間がかかり、商品によっては3ヶ月〜半年待っていただかないと商品をお届けできないものもあります。受注生産ではなく、作り置きをするという考え方もありましたが、その場合は商品を全部買い取らなければならず、かなりの資金が必要となります。在庫を持っていてもすぐに売れるという訳ではなく、資金的な余裕もないため、この販売方法を選びました。実は、国内向けにはオンラインショップをまもなく立ち上げます。国内であれば職人の方々の在庫状況をスムーズに確認でき、融通も利きますので、実施可能と判断しました。日本に比べて海外の場合はオンラインショップでの販売はやはり難しいと思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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