サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ベンチャーよ大志を抱け! 日本らしいビジネスで世界市場に挑戦
開催日: 2021年8月19日
○活動の主旨、目的○
日本の経済力、とりわけInnovationに関しての国際順位は年々低下傾向にあり、今後も多くの国々に追い越されていくことが危惧されています。持続的な経済成長を遂げるためにベンチャー企業をいかに育てるかが各国の重要な課題になっており、日本でもベンチャー企業を発掘し、育てる環境が徐々に整ってきていますが、大半は日本国内マーケット、日本の証券市場への上場を対象にしており、VC投資額、ユニコーン(未上場で時価総額1000億円以上の評価となるスタートアップ)の創出も他国に大きく後れをとっている現況です。
今回は、世界に魅力あるビジネスを送り出すアメリカ型のクリエイティブなベンチャーキャピタルに憧れ、世界に誇る日本企業の誕生を願う藤本氏にお話いただきました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
藤本 良一 氏
日本ベンチャーキャピタル株式会社
神戸大学文学部英米文学専攻卒業。野村證券ではIPO部隊に8年在籍し、主幹事で2社の上場を担当。
日本ベンチャーキャピタル(NVCC)に転職後ベンチャーキャピタリストとして20年以上投資活動に携わり6社のIPO、1社のCross-border M&Aを含む豊富なExit実績を誇る。
現同社執行役員。2016~2019 けいはんなリサーチコンプレックス(JST助成のグローバルイノベーションエコシステム創造プロジェクト)にて事業化支援リーダを務める。
ナレッジドナーインタビュー
- 企業支援に際して、ご苦労や心がけていらっしゃることを教えてください。
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苦労という部分に関してですが、一番は、やはり会社の投資委員会の承認を得る時です。講演でお話しした通り、京都大学発の電気自動車開発ベンチャー、GLM株式会社への投資の際は何度も投資委員会に諮りようやく審査に通りました。担当者だけがいいと思っていても投資はできません。投資担当者として豊富な情報とストラテジーを持ち、条件を整え、理路整然に組織を説得していく必要があります。
企業支援に関してですが、ベンチャーキャピタルとして「投資する・しない」というその場(静的)の話だけではなく、流れの中(動的)なサポートの仕方があると考えています。私自身は、自分が興味のある分野,今であればロボティクスや食、環境、エネルギーの分野に注目していますが、その分野の中で自分が面白いと思った企業に対しては投資云々は別にして、事業に役に立つような取引候補先を紹介したり、幹部人材を紹介したりして、「一緒に事業を大きくしていく」心もちでお付き合いしています。投資はその過程で相手のニーズとタイミングが合えばくらいの話ですね。 - これから起業される方々へメッセージをお願いします。
- これから起業をお考えの方には、ぜひ3人以上の仲間を集めて事業を始めていただきたいですね。1人で起業される方も多いですが、我々ベンチャーキャピタルの立場からすると、実際に投資する際には経営者はもちろん、企業がチームとしてどのように機能しているかを注視します。いわゆる3本の矢で、技術・営業・管理の3部門で「同じ志を持つ」人材が結集するのが理想です。ぜひ念頭に置いていただければと思います。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。