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サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
“音”のメディアで、新たな風景を表現するアート

開催日: 2021年8月26日

○活動の主旨、目的○
近年、盛り上がりを見せる“メディアアート”ですが、一体どのようなものとして捉えたらよいのか、わかりにくく感じることもあるのではないでしょうか。ご講演の序盤はメディアアートがいつ頃から登場したのか、またテクノロジーとの関係や、他のアート領域との違いは何かについて考え、その上で、アート=視覚表現と捉えられることが多い中での、平野氏が専門とする“音”のメディアアートについて、作品の紹介と共にその可能性について語っていただきました。 需要に対する供給を提供するビジネスの発想だけではもたらされないワクワク感をアートの視点から体験することができました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

平野 砂峰旅 氏
京都精華大学 メディア表現学部 教授

九州芸術工科大学(現:九州大学)大学院 情報伝達専攻修了、関西学院大学理工学研究科 博士後期課程修了、工学博士。学生時代よりビデオ、実験映画のサウンドトラックの制作を始める。
ヤマハ(株)にて業務用音響機器(デジタルエフェクター)のソフト開発に携わる。
その後、メルチメディア制作会社でWeb design,CD-ROMの企画制作を経て、2000年より京都精華大学にて映像、メディアアートの教育、研究を行い現在に至る。
ISEA、ICMC、NIMEなどの国際会議で音楽作品、メディアアート作品入選。
サウンドトラック制作を手がけた映像作品もSIGGRAPHをはじめ、国内外で受賞多数。

ナレッジドナーインタビュー

  • 「音」のプロとして、日常生活においては音や音楽をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。
  • 私は楽曲も作りますが、メロディやリズムより「音そのもの」を作るのが楽しいと感じていますので、蝉や鳥の声などの自然の音を真似る時には意識してその音を聞きます。普段は騒々しい環境は嫌いで、例えばテレビを付けながら作業をするのは苦手ですので、できれば音が無い方が好きですね。ただし、外に出た時には気になる音が聞こえると、「これは何の音かな」「どこから聞こえてくるのかな」と興味が湧いてきて、その音に意識を集中させます。私は一度に一つのことしかできないタイプですので、注意を向けなければ音が耳に入ってこないことが多いと思います。
  • 大学では学生の成績をどのように評価していらっしゃいますか。
  • 私は、現在、新設のメディア表現学部に所属していますが、これまでは芸術学部の映像専攻で教えていたので、芸術学部でのことについて話したいと思います。芸術学部では、試験ではなく課題として制作した作品を評価することがほとんどです。評価するときも、他の学生がいるところで、作品を展示や上映(映像作品の場合)して、学生にそれぞれの作品の意図や技法などを解説してもらいます。そのときに学生には、できる限り作品についての自分自身の考えや思いを語ってもらうようにしています。アートにおいては価値観や評価基準は様々ですので、自分の作品の良いところやこだわった点をはっきり言葉にするように指導しています。そして、それを踏まえた上で評価します。私自身の個人的な好き嫌いもありますが、それと評価とは、できるだけ区別するようにしています。ですから、個人的には好みでなくても高く評価することも多いです。また、相互評価として他の学生にもできるだけコメントしてもらうことも心がけています。
    芸術学部の作品の場合、特に自由課題では、「自分で問題を作って自分で解く」ということを実践しているのではと思っています。今年は、実技以外の授業を担当したため、筆記試験で、「自分で問題を作って、その問題を解く」という試験を実施しました。「勉強したけれど、勉強したところでない事柄が出題されたため解けない」ということが無くなるのではないかと考えたからです。自作の問題を解くのであれば、全員満点に近い点数になりそうですが、問題や答えの中で用語の使い方が間違っている答案もあります。また、問題と解答全体をレポートととらえて、門題と解答があっていても、より高度な問題を作り解答している学生には高得点を与えました。
    最近、デザインシンキングやアートシンキングが注目されています。デザインシンキングでは、答えが一つではない課題に対処できることを目指しているように感じています。そしてアートシンキングでは、課題を見つけ出す能力が必要なのだと捉えています。芸術学部での自由課題では、自分で問題を設定し、それを解決しているのではと思います。だからこそ、その評価をどうするかを考えつづける必要があると思います。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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