サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
魚群探知機を作った会社が新たな領域へ!-親和性の高い養殖市場を皮切りに建設現場まで!?-

開催日: 2021年10月7日

○活動の主旨、目的○
古野電気株式会社は1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、舶用電子機器分野において、その独自の超音波技術と電子技術をもとに数々の世界初・日本初の商品を提供し続けてきました。
そして海で育て上げた技術力を海洋のみならず、陸上でも活かすべく、様々なイノベーションに挑戦して来られました。今回は数々の挑戦の中から、養殖関連事業や建設現場におけるWi-Fi環境構築の技術を中心にお話をお伺いしました。
また社員の皆さんの積極的な挑戦を後押しする社内の仕組みづくりについてもご紹介いただきました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

木谷 吉伸 氏
古野電気株式会社 経営企画部

2008年、古野電気へ入社。営業員として車載用品の販売に携わる。現職に異動するまでの12年の間、営業業務と並行して車載用品のベース機種と派生機種の商品企画に携わる。営業活動を通して顧客ニーズを拾い上げ、そのニーズを反映させた商品の販売を繰り返し積み上げた実績は数多い。
2021年、現職に異動後は新規事業の立ち上げをサポートする使命を背負い、現在複数ある新規事業の種を大きく成長させる活動を実施している。

ナレッジドナーインタビュー

  • アイデアから育成、さらに新規事業にまで至る件数や状況についてお教えいただけますか。
  • 事業化に関しては、ざっくりですが昨年度からの累計でアイデアが100件とすると、そのうち育成事業に至るのは5件、割合では5%といったところです。まだ育成の段階ですので確実なことは言えませんが、イノベーションが難しい分野であることを考えると多い方ではないかと思います。事業化を進めるにあたってのポイントは、一番に事業計画です。「事業として本当に成り立つのか?」を見極めるために仮説を立てて検討するのですが、その仮説に妥当性があり、ある程度具体的でないと育成事業にすらなりません。逆に、アイデアが面白く、且つ対象となるお客さまにとってメリットがあり、勝算がある場合は、形にするのが難しくても事業化を進めることもあります。これまでの経験から、アイデアと技術の親和性や強みを活かすことが、事業化にあたって重要だと思います。
  • 御社が手掛けられている事業には、国の補助制度は適用されるのでしょうか。
  • 国費を使うメリットとして、クロマグロの資源管理に関わる提案をさせていただいています。クロマグロの養殖では、30キロ未満の天然魚を捕獲し、生きた状態で養殖業者のところへ運び、「活け込む」という作業をします。活け込む際の魚の尾数カウントを、従来は水中ビデオカメラを使ってフレームをコマ送りしながら何時間もかけて人間の目で行っていましたが、個人誤差や間違いが生じるという課題がありました。そこで、当社の音響技術を使って尾数のカウントを自動化しようと提案しています。そうすれば生簀の魚の在庫管理ができるようになり、経営面で非常に大きなメリットとなります。さらに、この提案が国費で実現できれば、水産庁の資源管理の枠組みの中でも貢献できると同時に、全世界的にクロマグロの資源管理が叫ばれている中、日本の資源管理体制をアピールすることにもつながり、ひいては「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」などにおいても自動尾数カウントシステムを展開できれば、国としてのメリットは大きいと考えています。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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