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サロンイベントレポート

木曜サロンレポート

テーマ:
リハビリ革命!“本当に治る”を世界中に広めるために

開催日: 2021年10月14日

○活動の主旨、目的○
医療費の増大が深刻化する日本。そのため様々な機器や方法が開発されているリハビリ業界にあって、脳卒中・脳梗塞のリハビリに革命を起こしたmediVR“KAGURA”の開発者である原氏にお話をお伺いしました。
「もう一度、自分の足で歩きたい」「心ゆくまで趣味を楽しみたい」「家族や友人と、思いきり笑い合いたい」そんな願いを叶えるべく、医師である原氏がナレッジサロンでのコラボレーションも活用しつつ、神経科学・行動科学の知見に基づいて開発したmediVR“KAGURA”。
今後、日本そして世界中の人々の願いを叶えるために描くヴィジョンについてお話いただきました。

ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール

原 正彦 氏
株式会社mediVR 代表取締役社長
島根大学 地域包括ケア教育研究センター 客員教授

2005年、島根大学卒業(循環器内科専門医)。臨床現場での研修後、大阪大学大学院医学系研究科での学位取得を経て2016 年大阪大学発ベンチャーとして株式会社mediVRを設立。
2019年、仮想現実(VR)技術を応用したリハビリテーション用医療機器「mediVRカグラ」の販売を開始。
2019年、島根大学地域包括ケア教育研究センター客員教授。
査読英語論文 84編、米国心臓協会(AHA)及び米国心臓病学会(ACC)より若手研究員奨励賞を合計4回取得、International Heart Journalより年間最優秀論文賞を受賞。
著書「臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意」が医学書ベストセラー。
取得特許 13件、経済産業省主催ジャパンヘルスケアビジネスコンテスト最優秀賞受賞。

ナレッジドナーインタビュー

  • 世界的に注目されているヘルスケアビジネスにおいて、日本の強みは何でしょうか。
  • 日本人が得意とする「個別最適化」が強みだと思います。海外の場合、誰がおこなっても同じ治療ができる「スタンダーダイゼーション(標準化)」を得意としていますが、日本は「この患者さんであれば、この方法が良い」というような個別の対応が得意です。基本的にリハビリは毎回、個別最適化をしなければなりませんが、海外の方は個別化力がそれほど高くないためこういった対応は難しいですね。世界的に見て、日本人のように表情や動作等から相手の身体機能や認知機能、あるいは相手の考えを読み取ってリハビリテーションに応用できる能力を持っているのは珍しいと言えます。例えば、鼻水を出してキョロキョロしている人がいれば、「ティッシュが欲しいのかな」と察してティッシュを差し出すという気遣いができる人がいますよね。このような感覚は海外では珍しく、日本独特のものだと私は考えています。リハビリでは、患者さんが何に困っているのかなどを察して対話をする必要がありますので、このような気遣いや感覚は日本人の大きな強みだと考えています。もちろんゲーミフィケーションなど、他にも得意とすることは色々ありますが、その中でも「個別対応するリハビリ」が、海外と渡り合える日本の大きな強みの一つであると思います。
  • 医師としてだけでなく、企業家や大学教授など、様々な立場からリハビリにアプローチされている中で、活動の根底にある思いをお聞かせください。
  • すべてにおいて優先するのは「患者さんを治す」ということです。医療現場の医師であれ、アカデミックなアプローチをする立場であれ、或いは産学連携の企業家としてプロダクトを作る立場であれ、いずれにしても「患者さんを治す」ことを目的として活動すべきだと考えています。アカデミックな活動も企業活動も、すべて目的を達成するためのツールにすぎません。そして、「治す」ことに真剣に向き合い、尽力することに楽しさとやりがいを感じています。
    また、2016年に起業した当時からナレッジキャピタルには大変お世話になっており、私自身としては今は恩返しをする段階に入ったと思っています。今後も何か機会がありましたら積極的にご協力させて頂ければと考えております。

※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。

木曜サロンとは

幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。

ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。

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