サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- 創業119年 特殊運搬・工事のプロフェッショナル集団 ~日本の社会・電力インフラを支え続ける企業をめざす~
開催日: 2021年12月2日
○活動の主旨、目的○
中谷グループ創業者・中谷庄之助は、大阪港で近代港湾確立の一翼を担う志を立て、1902年(明治35年)、海陸運輸業・中谷組を創業。以来、過酷な条件下で取り組んだ日露戦争の物資荷役で声価を高めた中谷組は、仕事に対するひたむきな情熱と誠実を旨とする企業姿勢で各方面からの信頼を得るようになります。なかでも、三菱財閥系会社との取引は、その後の発展の原動力となり、工事業や海運業にも進出し、営業地域も大阪から西日本を中心に各地へ拡大することになりました。
現在、中谷グループは13社となり、中谷憲正氏が代表を務める中谷機工㈱は主に、発電所や変電所の受変電設備から、商業施設のエレベーターやエスカレータ、野球場・空港等の大型ビジョン、半導体・液晶製造装置、MRIやCT等の医療機器、さらには、水族館のジンベイザメまで…様々な重量物・超精密機械の運搬や搬入据付などを手掛けています。
昭和初期の時代は、牛車で荷物を運んだり、丸太を転がし重量物を運んできた(コロ曳き)歴史がありますが、時代と共に技術技能は大きく進化しています。
そのため特殊運搬の世界にも、人材育成、技術伝承、新たな工法の研究、最先端の資機材活用、DX推進など、サロン会員の皆様との連携の可能性が高い課題も数多くあります。
社会を裏方で支え続けている中谷グループの今昔と、今後の課題やビジョンについてたっぷりとお話いただきました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
中谷 憲正 氏
中谷機工株式会社 代表取締役社長
中谷エネテック株式会社、中谷興運株式会社、中谷産業他役員を兼任
東洋大学法学部法律学科卒業。1998年の中谷機工株式会社東京事業所に入社し、2000年に三菱電機ロジスティクス株式会社 輸工事業所へ出向。その後、中谷機工株式会社 工事技術部・経営企画室を経て2006年に常務取締役、2008年に代表取締役社長に就任。
その他、一般社団法人大阪青年会議所理事長(2014年度)や、一般社団法人関西ニュービジネス協議会兵庫ブロック副会長、茶道裏千家淡交会青年部全国代表者会議議長などを歴任。
ナレッジドナーインタビュー
- 会社や業務に対して、新型コロナウイルス感染症の流行による影響はありましたでしょうか。
- コロナ禍においても仕事が低迷するということはなく、お陰さまで忙しくさせていただいています。ただ、業務はチームで対応するため、一人でも感染者や濃厚接触者が出れば現場全体がストップしてしまいますので、それを一番心配していました。幸い社員全員が感染予防に努めてくれたお陰で現場を止めることなく、無事に乗り切ることができました。また、東京オリンピックの全競技場への荷物検査用のX線検査装置の設置を弊社が担当させていただいたということもあって、オリンピック開催時期には多忙を極めることとなり、大変有り難く思っています。
- 今後のビジョンや課題についてお聞かせください。
- 最優先課題は、人材の採用と育成です。優秀な人材を育てていかなければ、競争力のある企業として存在できないと思います。次に、技術技能の更なる強化です。現状の技術技能だけでも対応できることはありますが、業界をリードし、安全管理を確実にするためにも、新工法や新たな機材・輸送機器などの開発が重要だと考えています。将来、社員のスキルと最先端機器の融合が必ず必要になってきます。また、今後は施工図面の3D化やアニメーションの活用も行なっていかなければなりません。そして、何より大切なことは「社員の満足」です。社員とそのご家族に「この会社で良かった」と思ってもらえる会社を作らない限り、これらの課題に対応をしていくことはできませんので、引き続き「社員の満足」向上に注力していきたいと考えています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。