サロンイベントレポート
木曜サロンレポート
- テーマ:
- ファッション業界の未来 -DXで変わる業界構造と新たなファッションの可能性-
開催日: 2022年2月3日
○活動の主旨、目的○
今回は劇的な変化の最中にあるファッション業界の今と、業界を刷新するファッションテック人材を育成しながらファッション・コングロマリットを目指す株式会社TFLの取り組みについてお話いただきました。“大量生産大量廃棄”“未だにFAXを活用する”など、何かと課題の多いファッション業界ですが、同業界にもDXの波が押し寄せています。DXで変わる“アパレルの業界構造”から、広告・メディアで活用される“バーチャルファッション”まで解説し、異業種参入によるメタバース関連のファッションサービスやDXを活用したアパレル企業への経営支援・技術支援などの事例についてご紹介いただきました。
ナレッジドナー(知の提供者)プロフィール
市川 雄司 氏
株式会社TFL代表取締役
高知県四万十川源流域出身 (湧き水・薪で生活)。バンタンデザイン研究所ファッション学部卒業後、株式会社三陽商会に入社し専門店事業部YSL企画に従事。その後、株式会社東京クロス・CROSSブランドチーフデザイナー、株式会社クルーズ・インポートバイヤー/セールスマネジャー、株式会社バンタン・バンタンデザイン研究所にてファッション教育ビジネス全般に従事し、2016年に株式会社TFLを、その後、株式会社FMB、一般社団法人FDEを立ち上げ、それぞれ代表職に就任。夢はLVMHグループを超えるファッション・コングロマリットを日本から誕生させること、そして実家源流域で「ワサビ田」を経営すること。
ナレッジドナーインタビュー
- ご出身地の環境や経験が現在の活動に影響を与えていることはありますか。
- 「社会課題を解決する」という観点で影響を受けているのではないかと思います。20年ほど前、私の生まれ育った高知県の四万十川の源流域の山を「more trees」という森林保全団体に間伐していただいたことがありました。音楽家の坂本龍一さんが代表を務めるこの団体は、資金を集めて森林の間伐を進め、森を復活させようという活動をされています。間伐を行うことで、地表に光が届いて下草が生え、冬に枯れた下草は土壌の栄養分になります。そして、その栄養分が川に流れて、川も栄養豊富になって復活します。また、間伐で伐採された木材を使った製品を、建築家の隈研吾さんやプロダクトデザイナーの深澤直人さんがデザインして伊勢丹などで販売し、その収益をまた山に戻すという循環型の取り組みをされています。地元でこのような活動を目にした経験が、私も「社会を変化させるようなことをやっていきたい」と思うようになった理由のひとつだと考えています。
- 日本初のファッション&テック専門学校スクールの運営で培った経験と実績を、今後どのように活かそうとお考えですか。
- TFL(Tokyo Fashion-technology Lab)原宿校を立ち上げてから約5年、さらに梅田校、福岡校、上海校を展開していきます。本校の特徴は、教育の内容が複数の分野にわたることです。ファッションという文系・アート系の領域とテクノロジーという理系の領域を融合させ、他の学校では対応が難しかったことを実現しました。この5年間で蓄積したノウハウを世界に広げることで、世界中の産業を支える人材を育成し、ひいては産業自体を変化させようというビジョンを持っています。
※木曜サロンレポートはナレッジサロン会員さまを対象としたイベントのレポートです。
木曜サロンとは
幅広い「知」に出会える、気付けるちょっと知的な夜、展開中。
ナレッジサロン会員様を対象に、毎週木曜日の夜に開催。幅広い業種業界から「ナレッジドナー(知の提供者)」としてゲストスピーカーを招き、専門知識や経験、取り組んでいるプロジェクトや生活の知恵まで幅広い「知」を提供。参加者同士の交流や会話を尊重し、自由で気楽な会話を中心としたカジュアルなサロンです。